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Monday, November 2, 2020

あえて言おう、「ほぼ完璧なスマホ」であると! iPhone 12 Proレビュー - ギズモード・ジャパン

milanokabar.blogspot.com

「ほぼ完璧なスマホ」。

スマートフォンメーカー各社が激しい開発競争で火花を散らしている中、「完璧なスマホ」をひとつ選び出すのは容易なことではありません。

それでも、米GizmodoのCaitlin McGarry記者はiPhone 12とiPhone 12 Proのどちらもレビューした上で、あえて後者が「ほぼ完璧」であると言い切っています。「ほぼ」なんて言われると逆に気になりますけどね。「完璧」に至らなかった理由は一体どういうところなのかな?って。

以下、気になるレビューです。あなたにぴったりのiPhone 12探しの一助になれれば。


スマホは高価ですよね。なので毎年買い換えるわけにもいきませんが、何年かおきに新しい機種を買う際に満たして欲しい条件とは、いい写真が撮れること、最新のソフトウェアを使えること、そして少なくとも数年以上は使い続けられることだと思います。

Appleの新しいiPhone 12 Proはお値段10万6,800円 (税別)〜です。フラッグシップスマホにもう少し手が届きやすかったらと思わずにはいられませんが、5G対応しているということはいずれ高速通信環境が整ってきたとき、時代に乗り遅れないで済むことが保証されています。しかもパワフルなA14 Bionicチップと高性能カメラが搭載されていて、極めつけはこの美麗なデザインときていますから、充分お値段に見合う価値があるとは思うんです。

iPhone 12 Proの競合モデルはたくさんあります。例えば、Samsung(サムスン)のGalaxy Note 20。Samsungはすばらしいメーカーですけど、ソフトウェアとカメラ的にちょっと不確かなところがありますし、値段に関してはプロダクトによってバラバラ。しかも、Galaxy Note 20の価格は1,000ドル(日本価格はおよそ10万円から)で「Sペン」と呼ばれるスタイラスがついてはいますが、背面はまさかのプラスチック素材ですよ? いやいや、ありえない。1,000ドルのGalaxy Note 20はハイエンドな感じを醸し出そうとしてますけど、オリジナルモデルであるS20は低速な5Gネットワークにしかつながらないので、もしミリ波帯の5Gにつながりたかったら別モデルを購入しなきゃいけなくなりますね。

一方で、Googleから新しく出たPixel 5は700ドル(日本価格は税別7万4800円)ですが、かなりのくせ者。いくらセルフィー用パンチホールカメラを搭載しているからって、チープな見ためと質感からしてもっと安くてもいいのにと思います。iPhoneのノッチに関しては意見が分かれるのは承知していますが、それとより確証の高い顔認証システムとのトレードオフなんだったらしょうがないなと思いますし。Googleスマホに入っているソフトウェアはおおむね優秀なんですが、カメラは以前もてはやされたようにはお役目を果たせていません。

と、こうやって競合フラッグシップモデルについて述べてみたところで、iPhone 12 Proの最大のライバルはアンドロイド系スマホではなく同時期に発売されたiPhone 12です。しかもこちら、iPhone 12 Proとほぼ同じ性能なのにも関わらずおよそ200ドルも安いときています。だったらその余計な200ドルを払ってまでiPhone 12 Proのカメラ機能とプレミアムなデザインを手に入れるべきでしょうか?

いろいろ言われそうですけど、ぶっちゃけちゃいますね。はい、iPhone 12 Proにはその差額に見合った価値が充分にあります

iPhone 12 Pro

Photo: Caitlin McGarry/Gizmodo US

これは何?:Appleのフラッグシップモデル

価格:10万6,800円 (税別)から

好きなところ:ただひたすら美しいデザイン。特にパシフィックブルーは秀逸。三眼カメラはほかのフラッグシップモデルと比べて遜色なく、特にナイトポートレートモードはすばらしい。パワフルなパフォーマンスで、5Gにも対応(場所にもよる)。

好きじゃないところ:iPhone Pro Maxに搭載されているカメラをより小さなProにも入れて欲しかった。誰もがデカいスマホを欲しがっているわけではないのだから。

焦って買う必要はない

ここでひとつ断っておくことがあります。もしあなたが根っからのiPhone嫌いで、この記事も本文をすっとばして(米GIZMODOの)コメント欄にこれよりもっといいスマホがどれだけあるのかを書き込みたいだけなのなら、ちょっと落ち着いてください。もともとiOSが嫌いなのであれば、iPhone 12 Proもその傾向を否定できるものではありません。

すでにiPhoneユーザーである方も、わりと最近のものをお持ちであれば(iPhone 11 Proあたり)焦って12シリーズに買い換える必要はないと思います。ただ、もともとApple製品に魅力を感じていて、もっと古い機種をお持ちの場合(iPhone 7か8あたり)は、iPhone 12 Proを強くおすすめします。価格に相当する価値はありますから。

ここで、「ちょっと待って」と思う方もいるかもしれません。「iPhone 12 Pro Maxはどうなの? あっちのほうが12 Proよりもっと完璧なのでは?」と。

たしかに! 12 Pro Maxのほうがカメラのスペックが高いんですが、わたしはまだ使ったことがないのでなんとも言いようがありません。個人的には、小柄で手も小さめである私からすると12 Pro Maxはポケットに入りきらないし、片手で使うには画面の高さがありすぎるんじゃないかと思ってはいるんですが、11月に販売開始したらiPhone 12 Pro Maxもいずれハンズオンで検証してみたいと思っています。

なので、大きいスマホがいい!というのであれば、Pro Maxが出るまで待ったほうがいいかもしれません。それ以外の人は、iPhone 12 Proできっと満足するはずです。

見てくださいよ、このパシフィックブルーの色合いったらもう。
Photo: Caitlin McGarry/Gizmodo US

ライトニングポート。iPhoneだけだよ
Photo: Caitlin McGarry/Gizmodo US

以前使っていたiPhone 4を彷彿とさせる角ばったエッジ。いい感じです
Photo: Caitlin McGarry/Gizmodo US

ステンレススチールフレームなので、アルミ製のiPhone 12より重厚感も重さもあります
Photo: Caitlin McGarry/Gizmodo US

秀逸なデザインとカラー

まずはデザインから見ていきましょう。12 ProもiPhone 12と同様にエッジが角ばったデザインとなり、iPhone 4世代の美学とノスタルジーを醸し出しています。12 Proはステンレススチールのフレームなのでアルミニウム製の12よりも重たいんですが、背面はすりガラスのようなマットな質感でそこそこ指紋がつきにくいです(12もいいんですけど、なにせ背面がテッカテカなんですよね)。

私が使ってきた12 Proはパシフィックブルーで、これがなんともいえない美しさなんです。あまりに綺麗なのでケースに収めたくなくなるレベルなんですが、ここはちゃんとケースにしまっておかないと自分が何をしでかすか分からないですからね。iPhone 12シリーズにはディスプレイに割れに強いセラミック・シールドが採用されてはいるものの、リスクはできるだけ回避したほうがいいですもんね。

6.1インチの有機ELディスプレイは圧倒的な美しさです。ディスプレイサイズが大きくなるということはスマホも大きくなってしまうのかと危惧していましたが、今年のProは去年のと同じサイズですね。

暗いところでも美しく撮れるカメラ

そして、カメラ。iPhone 12のカメラ機能をベースに望遠カメラLiDARスキャナを取り入れていますが、それについてはのちほどもっと詳しく。

iPhone 12にはない望遠レンズとLiDARスキャナが搭載されています
Photo: Caitlin McGarry/Gizmodo US

コロナ禍が続いて外出もままならない状況なのに、敢えてスマホのカメラ機能をアップグレードするのは必要ないと論じているレビュアーもいるようです。

でも、ちょっと言わせてください。人々はもはやステイホームしてないと思うんですよ。自宅からリモートワークを続けている人が大半なのは変わりませんが、ちょっとインスタを覗けばわかるように、外食する人が多くなってきてますし、学校の大半は再開し、クリスマスシーズンに向けて準備を始めている人もいます。

みんな、この未曾有の事態をそれぞれ懸命に乗り切ろうとしていて、こんなご時世だからこそ幸せな思い出を質の高い映像や画像でしっかり記録しておきたいって思ってると思うんです。

このような状況を踏まえると、12 Proの三眼カメラはソーシャルディスタンス中にも大いに役に立ってくれるはずです。フロントカメラは以前よりも暗いところでナイトモードセルフィーが撮れるようになっていますし、LiDARスキャナがついているおかげで暗所でもオートフォーカスの精度が6倍上がっています。

これからの季節、日がどんどん短くなってきて仕事が終わる前にはすでに真っ暗なので、暗所撮影とナイトモード機能は使い甲斐がありそうです。私が住んでいるロサンゼルスとは3時間の時差がある東海岸在住の友だちに、夕焼けの海の写真などをたっくさん送りつけて、こっちは常夏なのよ〜と自慢したくてうずうずしています。(もちろん、彼らに会いたいってこと、はやくまた行ったり来たりすることができるようになるといいなっていう気持ちをこめてね。)

以下、暗所で撮ったセルフィーとナイトモードで撮った写真です。機種によっての違いがわかると思います。

iPhone 12もナイトモードに対応していますが、12 Proほどのオートフォーカス機能は備わっていませんし、LiDARがないので暗所でのポートレート撮影はできません。ただ、正直なことを言ってしまうと、12の暗所撮影も悪くないんですよね。12 Proのほうが見栄えがいいのは間違いないのですが、その差はさほど歴然としていません。

望遠カメラで写真表現力アップ

ただ、それよりも大きな違いは12 Proの2倍光学ズームと10倍デジタルズームを備えた望遠カメラです。12はLiDARも望遠もついていませんし、ズームは5倍までに限られています。(ちなみにiPhone 12 Pro Maxはさらにスペックが高い望遠カメラ付きで、絞りはf2/2値、2~5倍光学ズームと12倍デジタルズーム機能が携わっています。)望遠カメラがあるのとないので大きく違ってくるのは、たとえば家族や友人とピクニックかなんかしていて、2メートルほど離れている人を撮りたい時でしょうかね。

以下、iPhone 12 Proのズーム機能をiPhone 12のデジタルズーム、Pixel 5のSuper Resズーム、iPhone 11 ProとGalaxy Note 20の望遠レンズを使って2倍にズームインしたキャピトル・レコードビルを撮って比較してみました。それぞれ大体この価格帯のスマホにしてみたら遜色ない結果となっていますが、iPhone 12と12 Proがより自然な色合いを再現できていると思います。

同じスマホ5台でハリウッドの文字を4倍ズームで撮影した画像もどうぞ。こちらでは各機種の個体差がより鮮明に出ています。iPhone 12 Proだと細部まで表現できているのに対し、12はもう少し平坦となり、Pixel 5ではさらにその傾向が強くなっています(どちらもデジタルズーム使用)。

日中の屋外で超広角レンズを使って撮影した画像では、差はそこまで感じられませんでした。

ここまで他機種との比較をしてきましたが、ここからはiPhone 12 Proが単独で本領を発揮している画像の数々をご覧ください。

LiDARスキャンは今のところお遊び程度

ちなみに、AppleがLiDARにこだわったのはAR(拡張現実)をもっと定着させたいという狙いもあったのでしょう。ただ、すこし遊んでみたかぎりでは、LiDARを使って身の回りの環境をスキャンし、そのAR化した画像をスマホ上で現実世界と重ね合わせて見たりするのは…すぐに飽きました。

私の場合、現時点でのARの主な活用法と言えば、甥っ子や姪っ子にYouTubeで赤ちゃん動物の動画をせがまれるのに辟易した時に見せる奥の手だったんですが、最近はコロナのせいで会う機会がありませんし、新しいiPhoneの新機能を見せびらかすことはまだできていません。いくらAR機能が搭載されているといえども、使いこなせていませんね、今のところは。

動画撮影機能は12と12 Proでは差が

今回発表されたiPhone 12シリーズは全機種においてDolby Visionでの動画撮影が可能です。ただ、ProとPro Maxモデルに関しては4K画質でフレームレートは最大60fpsまでいけます(12と12 miniは4Kで30fps止まり)。こちらのiPhone 12レビュー動画はiPhone 12 Proで撮ったものです。

12 Proと12の共通点は?

デザインとカメラの性能はそれぞれ違うものの、iPhone 12とiPhone 12 ProにはどちらにもA14 Bionicチップと5Gの通信機能が搭載され、バッテリー駆動時間も同じように14時間ちょっとです。iFixItの分解動画でバッテリーのサイズが以前よりも小さくなったことが判明しましたが、やはりバッテリーライフは今までの歴代iPhoneの中でも最長とは言えなさそうです。

しかしながら、どちらの背面にも磁石が内蔵されており、Appleの新しいMagSafe充電器に対応しています。MagSafeは最大15W給電が可能なので、電池残量がまったくゼロの状態から30分で40%までチャージできます(ただし、MagSafeだけ買ってもコンセントに差し込めないので別途2,000円もするUSB-C電源アダプタを購入する必要あり。これ、本当に困りますね…。)

5Gのギガビット通信は電池喰い

5Gに関しては、超絶速いミリ波帯に接続していれば、もちろんそれだけバッテリー消費も速くなるということですよね。でもAT&Tの5Gネットワークでは今のところミリ波帯ではなく低速な5Gのみに接続できる場所がほとんどなので、私の場合は日常的な長時間使用を経て、iPhone 12 ProもiPhone 11 Proもほぼ同時期に電池切れになりました(12 Proのほうがバッテリーそのものは小さいのに。A14 Bionicチップがよりエネルギー効率がいいおかげでしょうか)。

iPhone 12のレビューでも書いたとおり、一度だけ5Gのノードの真下にある駐車場でギガビットネットワークにつながったんですが、数分のうちにバッテリーを5%も消費しました。けれども、このようなことは一般的な5G使用においてはめったに起こらないとは思います。

すばらしきディスプレイ
Photo: Caitlin McGarry/Gizmodo US

リフレッシュレートは60Hzで充分

iPhone 12で見たとおり、A14 Bionicチップこそがモンスター。Android系のフラッグシップスマホとは比べものにならないほどです。

ゲームをするなら120Hzのリフレッシュレートを採用しているスマホのほうがiPhone 12 Proの60Hzより快適かもしれませんが、12 ProとGalaxy S20を隣同士に並べてウェブサイトを閲覧してみた結果、それほどの違いは感じなかったというか…120Hzでそんなに劇的に印象が変わるわけでもなく、Appleが採用しなかったことにもさほど害はないのかなと感じました。あったらよかった?はい。でもスマホには必要不可欠な要素?いいえ。

最後に一言

iPhone 12もiPhone 12 Proもすばらしく優秀なスマホです。12 Proのカメラ機能は12より上を行っていますし、個人的にはステンレススチール製のフレームとマットなガラスの組み合わせが気に入っています。なのでもしお金に余裕があるのなら、12 Proを買って間違いはないと思います。来年のiPhoneはもっといいものが出るでしょうか?もちろん。年々進化してきてますからね。でも今スマホが必要ならば、iPhone 12 Proをほかのどの機種よりも強くおすすめしたいです。

まとめ

・iPhone 12 Proのカメラ機能とプレミアムなデザインゆえに、iPhone 12よりもおすすめ。

・いろいろ撮り試してみた結果、iPhone 12 ProのほうがPixel 5よりもいい写真を撮るなと思えた。Pixelシリーズはかつて最高基準のスマホカメラを備えていたが、今はそうでもないもよう。

・Appleは最高基準のカメラ機能を出し惜しみしてPro Maxにのみ搭載してしまった。残念。

・5Gは騒がれすぎ。でも5G対応のスマホを今買っておくと、今後数年間で高速通信環境が整ってきたら時代に乗り遅れないで済みますよ。

・なお、日本版iPhone 12/12 Proシリーズはミリ波の5Gには対応していません。

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