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Monday, November 15, 2021

若い感性魚市場に活気 尾鷲の鮮魚店橋本映里奈さん 写真の経験生かしSNS - 読売新聞

 尾鷲市中井町の老舗鮮魚店「はし佐商店」で、3代目橋本正さん(76)の孫映里奈さん(22)が働き始めた。若い女性の漁業関係者は市内でも珍しく、魚市場に活気を与えている。(根岸詠子)

 明治創業の店は現在、正さんと、映里奈さんの叔母で4代目 智永ちえ さん(49)が中心となって切り盛りする。漁業が盛んな尾鷲には30年ほど前には10軒以上の鮮魚店があったが、高齢化による廃業が相次ぎ、今では半減。智永さんが最年少だ。

 映里奈さんは高校卒業後、名古屋市の専門学校で学び、同市内の写真館に就職。やりがいはあったが、残業と休日出勤の日々に。疲れ果てた様子を心配した母の 喜方よしほ さん(55)に「一度帰ってきたら」と勧められて、今年7月、実家へと戻った。

 「家に甘えたくない」と、就職活動をしたものの、希望の仕事は見つからなかった。ふと、「はし佐商店」のホームページ(HP)を見てみると、何年も更新されていなかった。「写真はピンぼけだし、ネット販売にも未対応」とショックを受けた。店で働く喜方さんに「何とかしたい」と相談すると、「やってみたら」と背中を押された。

 HP用に写真を撮り始めたが、魚の名前や仕事内容など分からないことだらけ。店の作業を少し手伝ってみると楽しくて夢中になり、8月から本格的に働き始めた。水揚げされた魚の選別や発送、最近は魚のさばき方や、名産のからすみの作り方も覚えようとしている。

 店や魚市場で働く人は中高年が中心で、同年代はほとんどいない。市場では、漁師から珍しい魚があると声をかけてもらったり、お菓子をもらったりするようになった。

 店頭の魚や早朝の市場の風景などを撮影し、店のインスタグラムとツイッターにアップする。写真館での経験を生かして構図を工夫し、「うちでしか撮れない、個性のある写真」にこだわる。SNSを見て、魚を買いに来る新規の客も付いた。

 周りからは「5代目」と言われることもある。先のことはわからないが、「毎日新しい発見があってとても楽しい。一通りの仕事を覚えたい」と笑顔を見せる。ネット販売や、飲食店風の刺し身の盛りつけなど、挑戦したいことがたくさんある。「魚や漁業のことをわかった上で、魅力的なホームページにし、若い人にも買ってもらえるようにしたい」と意気込む。

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