数百年後の未来を舞台に描かれるシリアスなストーリー
本作は数百年後の未来,人類が発見した居住可能な惑星「アイダ星」が舞台となっている。そのアイダ星で,人類は彗星「マーラ」から神秘的なエネルギー「オムニアム」を獲得するために,塔を建設した。それがタイトルの「幻塔」だ。
しかし,アイダ星の発展は続くことはなく,「大厄災」が発生してオムニアムによる放射線と時空の断裂により人類の文明はほぼ壊滅してしまう。
生き残った人類のなかで,幻塔を建設したエリート科学者たちは「ハガード」という組織を結成し,大厄災の原因になったオムニアムを抑制し利用する「サプレッサー」を開発した。そんなハガードに対して,危険なエネルギーであるオムニアムの利用を止めようとする巨大組織「アイダの子」が誕生する。彼らはハガードのあらゆる行為に反発し,争いを起こしていく。
ストーリーは,ハガードの特殊部隊「エクセキューター」の一員である主人公が,任務中にトラブルに巻き込まれ,記憶を消されてしまうところから始まる。目覚めた先は小さな島「アストラ島」で,そこで出会う人々と交流しながら,主人公は人類の未来をかけた冒険を繰り広げていく。
自由なフィールド探索。乗り物で空も陸も海も快適に!
オープンワールドの醍醐味といえば,やはり広大なマップを自由に探索することだろう。幻塔はゲームの大筋としてストーリーが存在するものの,ストーリー進行を止めていつでもフィールドを探索できるようになっている。
フィールドにはさまざまなギミックが点在しており,火をつけるとアイテムが獲得できるものや,特定の道具を使って破壊できる壁などがある。時には,ドリームマシンという夢の世界に入るホログラムが出現することもあり,そこでミニゲームができたりする。
ギミックはそれこそ少し歩くだけで見つかるのだが,中には本作におけるガチャ要素に使えるアイテム「ゴールドコア」や,少しグレードが低い「ブラックコア」が入っている。探索が直接強くなることにつながるので,フィールドを走り回っているだけでもとても楽しい。
そんなフィールド探索を快適にしてくれるのが,ハイテクな乗り物たちだ。空を飛ぶジェットパックや,川や海を快適に渡るジェットスライダー,地上を高速で移動できるバイクの「ハヤブサ」などが存在し,さまざまな地形に対応している。ほかにも,搭乗可能な二足歩行のロボットや,メカメカしいユニコーンなどロマンを感じる多彩な乗り物があり,これらを手に入れることも1つの目標になってくるだろう。
また,これらの乗り物はすべてアップグレードして,性能を向上させられる。例えば,ジェットパックの滑空中はスタミナを消費するのだが,アップグレードによりその消費がなくなる。手間はかかるが,アップグレードした乗り物は愛着も湧いてきて,さらに探索が楽しくなってくる。
さらに,フィールド探索にアクセントを加える機能として,ゲームの「スタイル設定」がある。これはゲーム画面にフィルタを掛ける機能で,切り替えることで通常のオリジナル画面とは違うグラフィックスが楽しめる。このスタイル設定は通常の「オリジナル」,荒廃感を増長させてくれる「終末」,彩度が上がる「ビビッド」,中世を感じさせるような「ヴィンテージ」の4種類があり,設定でいつでも変更できる。
筆者としては終末がオススメで,ゲームの雰囲気をガラッと変えて気分転換できるのは,フィールド探索に多くの時間を費やすオープンワールドでは恩恵が大きいと感じた。
スタイリッシュなアクションが楽しめるバトルシステム
本作のバトルシステムは,フィールドからシームレスに始まるアクションバトルだ。通常攻撃,武器スキル,回避,ジャンプといったシンプルな動きを組み合わせながら,武器を使い分けて戦う。
武器は3つまで装備でき,戦闘中いつでも切り替えが可能だ。攻撃系武器,防御系武器,アシスト系武器の3種類があり,どれを装備するかで戦い方が変わってくる。
さらに,同じ種類の武器を2つ以上装備すると強力なバフが付く。これは「武器共鳴効果」というもので,本作ではジョブやクラスといったものはないが,マルチプレイではこれによってプレイヤーの役割が決まってくる。
また,戦闘中は少しずつ「武器エナジー」が溜まっていく。このチャージが完了した状態で武器を切り替えると,通常のスキルよりもダメージもエフェクトも派手な「連携攻撃」が発生する。このシステムにより,自然と複数の武器を使い分けて戦闘することになり,スタイリッシュな戦闘が楽しめる。
戦闘が一段と楽しくなる要素として,攻撃を受ける直前で回避する「ジャスト回避」を決めると発生する「幻想タイム」がある。これは主人公の所属するハガードの特殊部隊,エクセキューターだけが持つ特殊能力で,幻想タイムが発生すると,敵の動きが一定時間止まり,武器エナジーが最大までチャージされて連携攻撃が1回使えるようになる。
ただひたすらに攻撃していても十分楽しめるのだが,敵の攻撃を見極めて幻想タイムを発生させたときが,本作の戦闘で一番気持ちがいい瞬間だ。
さらに戦闘中,「アルケー」という道具を使用できる。正確には,アルケーは機能型,攻撃型,防御型,アシスト型という4種類に分かれており,戦闘中に使えるものだけでなく,ジェットパックやジェットスライダーといった便利な乗り物も含まれる。戦闘中に有効なアルケーの多くは,クールダウンは長いが効果は強力だ。
武器とアバターを入手し,お気に入りのキャラクターを操作しよう
本作におけるガチャ要素は,武器を入手するものと,「ボリション」という武器に装着するアイテムを入手するものの2種類だ。
武器のレアリティはR,SR,SSRの3種類があり,レアリティが高いほど武器の性能も高い。ただし,SR以上の武器は同じ武器を複数入手するとランクアップが可能で,ランクアップをしていないSSRよりも,すべてランクアップし終えたSRの方がかなり強いというような調整になっている。
そして,SR武器とSSR武器の初回入手時には「アバター」を追加で入手できる。アバターを装備すると,入手した武器に関係したキャラの姿に外見が変更され,その特性が発動するようになる。もちろん,声もそのキャラのものに差し替わる。
さらにSSR武器のアバターにはおまけで,戦闘中に使う連携攻撃の演出が変化するという要素がある。関係する武器限定ではあるものの,連携攻撃がさらに派手になるので,運良くSSR武器を入手できると,アバターもセットで使いたくなる。
そしてボリションは,武器に装着することで武器の性能を上げてくれるチップのようなものだ。ボリションには意識,記憶,信念,感情という4種類があり,それぞれ1つずつ武器に装着できる。また,同じ絵柄のものを装着するとセット効果が発生し,さらに性能を伸ばせる。
武器やボリションについては,ガチャ以外でも入手手段がいくつか用意されており,序盤から挑戦できて高レアリティの武器やボリションを狙えるものとしては,フィールドボスの報酬がある。CBTの段階では,ワールドチャットで頻繁に募集がかけられていたので,積極的に参加して狙っていくのがよさそうだ。
気軽にできるマルチプレイで仲間と共に冒険しよう
本作には,マルチプレイ推奨のコンテンツが豊富に用意されている。そうしたコンテンツではキャラクターの防具や武器,ボリションといったアイテムを獲得でき,強くなるうえで避けては通れないものになっている。そこで重要なのがマッチングシステムになってくるわけだが,気軽にマッチングできるランダムマッチングに加えて,チーム掲示板のような役割を果たしてくれる「チームホール」という機能もある。
チームホールは,ダンジョンやミッションを指定し,同じ目的のプレイヤーを集められる機能だ。ランダムマッチングと違い,チームを組んでから挑むことになるので,事前に役割分担を決めるなどのコミュニケーションを取ることが可能だ。高難度のダンジョンはチームホールで,簡単なダンジョンはランダムマッチングでサクッと行うなど,使い分けていくといいだろう。
こだわりのキャラを作れるキャラクターメイキング
本作はキャラメイクにもかなり力が入っており,顔や髪型,体型はもちろん,顔の輪郭や髪のグラデーションに至るまで細かい設定を行い,自分だけのキャラクターを作り出せる。これが,本作の特徴でもあるアニメ風のグラフィックスでできるのだから,“刺さる”人には大いに刺さるだろう。
筆者は,鼻の位置や口の位置,えらや頬などの輪郭調整を細かくしているうちに,キャラメイクだけで2時間ほど費やした。今回はCBTの開始前にクライアント上でキャラメイクができたので,正式リリースの際にも同じようになると嬉しい。
コスチュームの染色機能もあり,ファッションでも個性を出していける |
自身のキャラクターは,ストーリーのムービーシーンでももちろん適用される |
動いているキャラクターを見るほかにも,スクリーンショットを撮影するためのフォトモードが存在し,キャラや風景をより魅力的に撮影できる。フォトモードでは時間帯や天候を調整でき,被写界深度の変更や,スタイル設定のフィルタ機能など,さまざまな設定が可能だ。
1人でもマルチプレイでも,さまざまな楽しさが見つかるオープンワールドRPG
今回,筆者はPC版をメインにプレイしたが,Android版も少し触ってみた。環境としては3年ほど前のAndroid端末で,スペックが高いとは言えないが,設定を落とせばカクカクすることなくプレイできた。ただし,CBT版でもアプリのストレージ使用量が5.5GBとかなり大きめだったので,プレイ予定の人はなるべくスマートフォンの容量を空けておくといいだろう。
操作は左手でキャラクターを移動させ,右手で攻撃やジャンプ,回避などを行うスタンダードなものだ。1時間ほどプレイして操作に不満は感じなかったが,アルケーの使用などはボタンが少し小さいので,Bluetoothで接続できるコントローラを使用するか,タブレット端末でプレイするとより快適になるはずだ。
近年のオープンワールドゲームの流行は,皆さんもご存知のとおりだろう。美麗な3Dグラフィックスで広大な世界を楽しめるゲームは,とても身近なものになった。ただ,オープンワールドはフィールドの移動が退屈だと言われたり,何をするにも時間がかかったりと,人によって向き不向きが出るものだとも思う。
その点本作は,乗り物による快適な移動や,シンプルかつ奥深いバトルシステム,気軽なマッチングシステムなど,ストレスを感じさせるような要素をなるべく取り除いて,遊びやすいオープンワールドになっているように感じる。グラフィックスやキャラメイクだけでない,魅力的なタイトルに仕上がることに期待したい。
詳しい情報は公式Twitterで随時配信されており,世界観を伝えるツイートや,美麗な誕生日イラストなどが掲載されている。ゲームが気になってきたという人は,本作のCBTはメディア公開が許可されているので,動画や配信映像を探して実際のゲーム映像を確かめてみるのもいいだろう。「Tower of Fantasy(幻塔)」は,年内にiOS/Android/PCで正式リリース予定だ。
からの記事と詳細 ( オープンワールドRPG「Tower of Fantasy(幻塔)」CBTレポート。1人でもマルチでも,さまざまな楽しさが見つかる広大な世界にようこそ - 4Gamer.net )
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