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Friday, May 15, 2020

高齢者の送迎などに便利。コンパクトカーにも設定がある乗り降りが楽な「回転シート」車 - clicccar.com(クリッカー)

福祉車両

■高齢者の乗り降りを考慮した福祉車両も充実

福祉車両というと、一般的に「障がい者向け」と思われている方も多いでしょう。

また、福祉業者などが複数の人たちを送迎するため、ワンボックスやミニバンなど大柄なクルマに、車いすを車内に載せるためのスロープなどの装置が付いているといったイメージもあります。

ですが、最近は家族で使える人気のコンパクトカーなどでも高齢者の乗り降りを考慮し、助手席などが回転するタイプも増えています。

高齢の親を病院へ送り迎えしたり、買い物や小旅行など、そういったモデルなら高齢者も楽に乗り降りできるのが魅力です。

●新型フィットにも助手席回転シート

いくつか例を挙げて紹介しましょう。

まず、ホンダが2020年に発売したばかりの新型フィットには、「助手席回転シート車」が設定されています。

これは、助手席を車外方向に65度回転させることで、足腰などが弱った高齢者でも楽に乗り降りできるという装備です。

シートの回転は、操作レバーのロックを解除して助手席を手動で回すだけ。クルマ前方方向に戻すのも軽い操作ででき、シートの固定もレバーをロックするだけと簡単です。

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ホンダ・フィット助手席回転シート車

ほかにも、ホンダのコンパクトカーには、フリードに「助手席リフトアップシート車」を設定。こちらは、助手席が電動で回転して車外にせり出す仕様で、操作はリモコンで簡単にできます。

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ホンダ・フリード 助手席ターンシート車

フリードには、さらに2列目シートの助手席側が電動で回転し車外にせり出す、「サイドリフトアップシート車」もあります。

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ホンダ・フリード サイドリフトアップシート車(写真はハイブリッド車)

●多様な車種や装備を誇るトヨタ

トヨタはウェルキャブというブランドで、非常に多くの車種や装備を持つ福祉車両を設定しているメーカーです。

コンパクトカーでも、シエンタやポルテ、スペイドなどに「助手席回転チルトシート車」をラインアップしています。これらもホンダのフィットと同様に手動で助手席を回転させて、高齢者などの乗り降りをサポートする仕様です。

助手席は車外方向に回転するだけでなく、下方向にチルトするため、足を上げなくても乗車が可能。また、シートがあまり外へせり出さないため、雨の日でもシートが濡れにくいといったメリットもあります。

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トヨタ・シエンタ 助手席回転チルトシート車

助手席が回転する機能に加え、車いすを後部荷室に電動で収納できる装置がついたタイプもあります。

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トヨタ・シエンタ 助手席回転チルトシート車+手動車いす用収納装置

また、2020年に発売された新型コンパクトカーのヤリスにも、「車いす収納装置付き車」を設定。

この仕様では、車いすを車体後部に収納する電動装置のほか、助手席のみがターンチルトする仕様や助手席と運転席の両方がターンチルトする仕様などが設定されています。

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トヨタ・ヤリス 車いす収納装置付き車

ほかにも、トヨタのコンパクトカーには、前述のフリード同様、助手席が電動で回転して車外にせり出す「助手席リフトアップシート車」も用意。

電動シートの操作はリモコンで簡単にでき、シートには折りたたみ式ステップなども装備され、乗り降りが極めて楽です。
前述のポルテやスペイドに加え、タンクやルーミーに設定されています。

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トヨタ・ルーミー 助手席リフトアップシート車

●人気のノートにも設定あり

日産が誇るコンパクトカー・ノートにも助手席回転シート車があります。

シートは、ガソリン車が55度、モーターで走るe-POWERが66度の角度で回転。シートは折りたたみ式ステップ付き、助手席側のAピラーには乗降時につかまって体を支えられるグリップなども装備されています。

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日産・ノートe-POWER 助手席回転シート車

●助手席回転シート式はリーズナブル

こういったタイプは、通常の福祉車両よりもリーズナブルな点も注目です。

例えば、フィットのガソリン仕様で安価なグレード、ベーシック(FF)の場合。価格(税込)はスタンダードが155万7600円なのに対し、助手席回転シート車は171万7100円で、価格差は約16万円です。

一方、コンパクトミニバンのフリード+には、スロープで車いすを載せられる「車いす仕様」(4人乗り+車いす)がありますが、こちらの価格(税込)は、ガソリン車のG・HONDA SENSING(FF)で260万1000円。

対して、同グレードのスタンダードは218万2400円ですので、価格差は約42万円。

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ホンダ・フリード+ 車いす仕様車

車いすを使っていない高齢者を乗せる場合は、助手席回転シートタイプの方がお買い得だといえます。

ちなみに、福祉車両には税制上の優遇措置もあります。

1:車いすと車いすの方を載せられる自動車
2:体の不自由な方が運転できる自動車

といった、いずれかの要件を満たした装置がついているクルマは、車両購入時に消費税が非課税。また、毎年支払う自動車税が減免されるほか、購入資金の貸与など各種の助成制度が利用できます。

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回転シート仕様の福祉車両も税金面で優遇措置がある

そして、これはメーカーが「福祉車両」として出している助手席回転シートタイプも同様です。

また、スロープ式など車いすを乗せる車両の場合は、車いすスペース確保のために座席数が少なくなる場合もありますが、回転シート仕様の座席数はスタンダードと同じ。普通のクルマとして乗れるメリットもあるのです。

(文:平塚直樹 写真:トヨタ自動車、日産自動車、本田技研工業)

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May 16, 2020 at 09:03AM
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