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Monday, June 22, 2020

美しい海、アートと日本の原風景を見ながらのんびり散策 瀬戸内・男木島 - 朝日新聞社

フォトグラファーの高橋伸哉さんが、「或る旅」の記憶をつづるフォトダイアリーです。

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新型コロナウイルスによる緊急事態宣言は解除されたものの、ソーシャルディスタンスに気を配るなど、何かと不自由な日々は続いている。しばらく海外には行けそうにないので、そろそろ国内の旅にでも出たいと思ってしまうが……。自粛しながらでも旅の気分を味わいたいということで、知らない人も多いかもしれない場所、男木島を紹介したい。

美しい海、アートと日本の原風景を見ながらのんびり散策 瀬戸内・男木島

男木島は、瀬戸内海にある島の一つである。瀬戸内海中部の備讃瀬戸に位置する、面積1.34平方キロメートルの小さな島だ。近くには有名な直島があり、海がとても美しい。私はこの男木島の、日本の原風景のような佇(たたず)まいと、小さな島の中にアートがたくさんあるところがとても気に入っている。

美しい海、アートと日本の原風景を見ながらのんびり散策 瀬戸内・男木島

私の場合は車で淡路島を越えて高松港の駐車場で止め、あとはフェリーで男木島に向かう。写真を撮る者としてはフェリーの中でもたくさんの写真が撮れるので、もう旅気分は最高潮なのである。

美しい海、アートと日本の原風景を見ながらのんびり散策 瀬戸内・男木島

高松港から35分ほどで、男木島が見えてくる。私は男木島に限らず島が大好きで、とにかく興奮する。そして写真を撮るのが楽しくて仕方ないのだ。

美しい海、アートと日本の原風景を見ながらのんびり散策 瀬戸内・男木島

この島は人口が200人にも満たない小さな集落だ。平地が少なく、坂道や階段を迷路のように迷いながら散策する。これがとても楽しい。自分の勝手なイメージだが、余計なものがない原風景のようで落ち着くし、少し坂を上ったあたりから見る瀬戸内の海はとても美しい。親子でのんびり散策するもよし、恋人同士で歩くもよし、友達とカフェでお茶するもよし。

美しい海、アートと日本の原風景を見ながらのんびり散策 瀬戸内・男木島

ここは、時間がゆるりと流れている癒やしの場所となる。移住してくる家族も年に何組かいるらしい。都会っぽいものが一切ないところに引かれて、男木島を選ぶそうだ。そう、中途半端な都会感や便利なものなどがない場所。それが男木島だ。もちろんコンビニもない。

美しい海、アートと日本の原風景を見ながらのんびり散策 瀬戸内・男木島

そんな男木島の魅力の中での楽しみの一つがカフェである。

ogijima ゆくるで一服

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古民家のような場所で食事や珈琲(コーヒー)をいただける、ogijima ゆくるや、瀬戸内海の絶景を見ながらドリンクを飲んだりしてゆっくりと語り合う場所、象と太陽社

象と太陽社で食と景色を楽しむ

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この象と太陽社のオーナーは美容師であり、男木島で散髪屋もしているので、次回は頼んでみようかな。この前お邪魔したときに色々と話をしたが、気さくなご主人で、移住を決めた話なども聞いていて楽しい。現地に足を運んで、瀬戸内海の絶景を見ながら島の人の話を聞くと、いつもと違う時間が流れているように感じる。あとは美味(おい)しいパンを出すことで有名なダモンテ商会。他にもたくさんお店はあるので、一日島を散策して遊びながら、気に入った場所で休憩しながらのんびりするのが良い。

美しい海、アートと日本の原風景を見ながらのんびり散策 瀬戸内・男木島

男木島は食とアートと原風景を楽しめる貴重な場所である。

写真家としては、ロケーションがとても魅力的。余計なものがなく、写欲がそそられること間違いない。まだコロナが騒がしくなる前に写真仲間と男木島を散策したときに、メンバー全員が男木島の虜(とりこ)になった。また遊びに行きたいと終始楽しそうな笑顔の仲間を見て、こんな魅力のある場所はいつか、この連載で紹介したいと思っていた。

男木島にいた猫

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以前、大阪に住んでいた頃の写真仲間の額賀順子さんも男木島に移住を決めた一人だ。夫が男木島の出身ということもあり、そこでの暮らしを選んだということらしい。彼女は、読書と写真が大好きな人。移住してから数年で、素晴らしい男木島図書館を作ったと聞いて私は感動した。台風で瓦屋根が飛ぶなど、色々な苦労があったと聞くが、今はこうして、この図書館はたくさんの人たちが訪れる場所となっている。とても素敵な空間で、庭では珈琲をいただきながら読書も楽しめる。ぜひ、男木島に行くことがあったら足を運んでほしい場所の一つである。

男木島図書館

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このエリアでは3年に1度、瀬戸内国際芸術祭が開かれる。海外からも人気の高い瀬戸内。男木島にも欧州からもたくさんの芸術家たちが足を運ぶ。

私は、島が大好きである。もちろん日本自体が大きな島国ではあるものの、小さな島に降り立った興奮はたまらないものがある。どこか田舎に帰ってきたような、遠い記憶をたどるような。とにかく胸が高鳴るのである。今まで、たくさんの島を訪ねたが、どこも満足のいくものだった。

海外からも人気の高い直島での一枚

海外からも人気の高い直島での一枚【もっと写真を見る】

もしも、関東や九州から数泊の予定で遊びにいくなら、香川のうどんを堪能して(本当に、どの店のうどんも美味しいから!)、観光地をめぐり、翌日は朝から男木島に行ったり、直島にも足を運んだりしてほしい。

たまには観光地ではなく、ゆっくりと時間の流れる島を旅することを勧めたい。また、違った感動を味わえるだろう。

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ogijima ゆくる
https://ogijima-yukulu.com
象と太陽社
http://elephant-sun.com
ダモンテ商会
https://damonte.co
男木島図書館
https://ogijima-library.or.jp

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PROFILE

高橋伸哉

人物、風景、日常スナップなど、フィルムからデジタルまでマルチに撮影するフォトグラファー。国内外を旅して作品を発表している。企業案件や広告撮影、技術本の書籍(共同執筆)、ワークショップなども多数。インスタグラムの総フォロワー数は35万人を超える。(@t.1972@s.1972

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