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Wednesday, August 4, 2021

究極に黒いインク「Blink」はふつうの筆で使えちゃう手軽さが魅力 - ギズモード・ジャパン

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ラボで開発された真っ黒な塗料は、軍事や航空宇宙産業での用途を除けば、実用的な使い道はまだ多くはありません。

とはいえ、このような反射しない塗料の仕上がりが素晴らしいのはご存じのとおり。そんな異次元の黒さを使ってみたいと願うカリグラファーやアーティスト向けに、市販されているインクで最も深い黒だと謳う黒インク「Blink」が発売されました。

圧倒的な黒さを誇る塗料を巡っては、争いが繰り広げられてきました。2014年、英国の企業Surrey NanoSystemsが「ベンタブラック」と呼ばれるコーティングを開発。ベンタ(Vanta)はVertically Aligned Nano Tube Array(垂直に並べられたナノチューブの配列)の頭文字を取っています。

ベンタブラックは可視光を反射するのではなく99.965%吸収できる微細なカーボンナノチューブから作られています。人間の目は物体からの反射した光に基づいて世界を見るので、反射した光がなければ、ベンタブラックが塗られた物体はのっぺりした黒い穴に見えるのです。

ベンタブラックが開発されてから7年が経ちましたが、ほとんどの人はベンタブラック独特の視覚効果を実際に体験したことがありません。というのも、アーティストのアニッシュ・カプーア氏が軍事や航空宇宙産業以外での独占使用権を所有しているからです。そして軍用に割り当てられたテクノロジーのほとんどと同じように英国からの輸出も厳しく管理されていますし、ベンタブラックのような素材がどのくらい安全かもはっきりとわかっていません。カーボンナノチューブは発がん性の可能性があると示唆する研究もあります。

非反射性の塗料の製造はSurrey NanoSystemsだけのプロセスではなく、光陽オリエントジャパン株式会社も光吸収率99.4%とベンタブラックとほぼ同じ結果を誇る水性アクリル塗料「黒色無双」を開発しており、制限なしに市販されています。

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Image: Culture Hustle

ベンタブラックと黒色無双は特殊な塗り方と道具を必要としますが、Blinkはカリグラフィー用ペンや筆ペンなどで使えて、反射を減らすことで従来のインクよりもさらに黒く見えてマットな仕上がりをもたらす「最も黒いインク」だと謳っています。Blinkの光吸収率は不明ですが、販売価格は30MLのボトルでたった17ドル(日本価格1,900円)とお手頃。 ベンタブラックほどの漆黒さは期待できないかもしれませんが、普段使っている油性マーカーなんかよりは桁外れの黒さを発揮しそうです。

Source: boingboing, Surrey NanoSystems, ScienceDaily, 光陽オリエントジャパン, Culture Hustle,

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