初夏の太いシロギスを狙おうと先日、福井・若狭本郷の「はやし渡船」(日刊銀鱗倶楽部加盟店)で小浜湾に出た。まだ、水温が低いせいか、食いが浅くて苦労したが、林和正船長直伝のシェイクに良型が反応。竿頭で13~25センチを22匹食わせた。盛期なら簡単に釣れるが、誘い続けて食わせた良型は釣った感があって、とても楽しい。キスは定番の天ぷら、大きいのは刺し身も絶品。まさに釣ってよし、食べてよし。狙う価値ありですよ。 【近江康輔】
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「でっかいキスいますやん。釣ってくださいよー」。ピンギスに不満顔のお客さんに林和正船長が25センチ級を食わせてにっこり。「へ~すごいですね。どうやったら釣れるの!?」。みんなで驚き顔。「初夏はピンギスも釣れるが、大型もよく釣れるんです。昨年は30センチが出ました。ただ、キスの活性が低いので、オモリを浮かさないように丁寧に誘うことが大事なんです」と話す。
船長がお手本とばかりに竿先を細かく動かすシェイクを実演するとすぐにブルブルブル。「これはいいかも」と取り込んだのは26・5センチ。「僕のはワカサギで、船長のはカマスみたいやね」と大石義信さん(宇治市)が苦笑い。船長は子どものころから小浜湾でキスを釣ってきただけに、シーズンごとの攻略法、ポイントを熟知していて心強い。
水深は5メートル前後の浅場、底はきれいな砂地が広がる。風はキスの食いがよくなる弱い北風が吹いている。餌は目立つように石ゴカイの1匹掛け。潮下になる右舷はチョイ投げし、糸ふけをとりながら船長の誘い方をまねるとサイズアップ。大石さんが22、24センチをダブルで釣り上げ「誘ったらほんまに釣れますね。船長教え上手やわ」と満足顔。
潮上の左舷では、森井英行さん(京都市)と石田秀樹さん(同)が時折、誘いながらの引き釣りで23センチ前後をゲット。「これは握り応えのある、いいキスやね。こんなキスが釣りたかったんや」とにんまり。「初夏のキスは卵を持っており、身が甘くて刺し身にするととてもおいしいよ」と船長。
時間がたつと誘い方が板についてきて、記者も24センチのグッドサイズをゲット。置き竿では小型しか反応しないが、誘うと遊泳力のある良型が釣れるんだなと実感した。さすがにハシリの時期で、入れ掛かりとはいかないが、丁寧に誘って食わせるのも面白い。勝手に食ってきたではなく、釣ったった感が楽しい。
また、小浜湾はロケーションがいいのも魅力。湖のように波も穏やか。緑豊かな山々に癒やされながらのんびりキス釣りが楽しめる。「ここは時間が止まったような静かな湾でキス釣りにぴったりですね。船長のトークも面白いし、熱心に釣らせてくれるのが気に入りました」と3人がご満悦。
釣果は竿頭で13~25センチを22匹とひかえめだったが、良型交じりに満足し、正午前に納竿した。大型のキスは梅雨明けまでが絶好機。「来月も来ますわ。次はもっと大きいのを釣りますよ」と3人がサイズアップを誓い、沖をあとにした。
【今後の見通し】これからキスの群れが大きくなるので期待大。水温の上昇とともに活性が上がり、数、型ともに楽しめる。梅雨が明けると、最盛期に入り、連掛けが増えて3桁釣果も。釣期は晩秋まで。
【交通】大阪から中国自動車道、舞鶴若狭自動車道を利用。小浜西ICを出て国道27号に入り、舞鶴方面へ。約3キロで右側に同渡船がある。
【問い合わせ】はやし渡船【電話】0770・77・0591。乗合船料金6000円、仕立船は5人まで3万円、1人増し6000円。釣り時間は午前6時~正午まで。仕掛け、エサ常備。
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