「電車で大声を出してしまう」「お店の商品を触ってしまう」、公共の場での子どもの行動に悩む親御さんは多いはず。しかし、小さな子どもにTPOを意識した振る舞いを求めるのは難しいものです。どういった声かけをすれば、子どもは理解してくれるのでしょうか。言語学博士の堀田秀吾さんがおすすめのフレーズを紹介します。
※本稿は、子どもの声かけ検討委員会(著)、堀田秀吾(監修)『子どもがやる気になる!「親のひとこと」言い換え辞典』(三笠書房)より、内容を一部抜粋・編集したものです。
お悩み1. 電車の中でも、大きな声で話す
電車など公共の場で、子どもたちはついつい家にいる時と同じようにふるまってしまいがち。TPOに合わせたふるまい方が、まだ理解できない子どもに、どう伝えればいいでしょうか。
【言いがちフレーズ】
静かにしなさい!
【おすすめフレーズ】
大声出すと周りの人がびっくりしちゃうよ。(小声で)ママにだけお話聞かせて?
今日は、ママと一緒に電車に乗ってお出かけ。久しぶりの電車に乗ったカイトくんは、嬉しくて大はしゃぎ。周りにお客さんがいるのに、大きな声でお話をしていて止まりません。
「ねえねえ、あれ、新幹線かな」
カイトくんはすっかり興奮気味で、ママに大きな声で話しかけます。
「カイト、声が大きいよ」
「ええ、なんで? いいじゃん」
<解決策>「ママにだけ内緒で」秘密を共有する
お出かけは、子どもにとってはとても楽しいできごとで、電車の中などでついついはしゃいでしまうのもよくわかります。子どもが喜んで楽しそうにしているのは、親としても願ってもないことではありますが、はしゃぎすぎて周囲の人に迷惑がかかるとなると話は別です。
なんとかしなきゃと焦ってしまい、ついついストレートに「静かにしなさい!」と一喝してしまいがち。でも、そういった口調はあまり効果を発揮しませんし、怒られた子どももしょんぼり。せっかくの楽しいお出かけも楽しくなくなってしまいます。
そんな時に試したいのが、「(小声で)ママにだけお話聞かせて?」というフレーズ。「ママにだけ内緒で」とすることで、特別感が出ます。この特別感というのは、人間の心理に基づく行動や認知の原理の中でも非常に重要な位置を占めることが知られています。
小声で何かを伝えるという「特別な行動」を子どもは面白がってくれますし、興奮していた気持ちを「逸らす」という働きもあります。湧き上がった感情は、別のことを考えさせたり、別の行動をさせることで逸らし、抑えることができます。ここで紹介した言葉は、そうした役目を果たすのです。
声のトーンを変えて話してみる
小さな子どもにとって、TPOに合わせたふるまいをするのは、難しいもの。「うるさい!」と怒られても、急に話し方を切り替えるのは難しいですし、場合によってはもっと大きな声で泣いてしまうこともあるのでは。
静かにしなくてはいけない理由を伝えつつ「シー」と指をたてながら、親御さんにだけ話すように仕向けてみては。たとえば、ひそひそ声で秘密話をするように、大好きな電車の話をしてあげると、面白がって子どもも同じトーンで話してきます。
【もっとやる気にさせる応用フレーズ】
・もう少しお姫様の声で教えて
・(出かける前に約束して)約束は忘れてしまったかしら...?
からの記事と詳細 ( 「電車で大はしゃぎする子ども」を落ち着かせるとっておきの一言 - PHPオンライン衆知 )
https://ift.tt/LoUfhxF
No comments:
Post a Comment