「落語」「講談」「浪曲」を3大話芸、というそうである。しかし900人も実演家がいる落語、神田伯山というスターがいる講談と比べて、浪曲はいかにも分が悪い。実演家は全国に100人もいないのだ。まさに、絶滅危惧芸能である。その上にコロナ禍で、演じる場の減少に苦しんでいる。
浪曲師として生活していて楽しさ苦しさはいろいろあるが、仕事で旅ができるのはとても楽しい。その土地の、水に合わねば……土地柄など考え、どの演目をやるか頭振り絞って考える。毎度賭けだが、ハマッたときの盛り上がりは、ちょっと東京では味わえない。
20年前、初めていただいた旅仕事。新潟県塩沢町(現南魚沼市)の体育館だった。いっぱいのお客様。東京の寄席だと、客席はご年輩のご常連が大半であるのに、そこでは老若男女入り交じり、お子さんもいた。戸惑った。未熟な浪曲師のただ懸命なだけの一席だったと思う。ところが、お客さんは大笑いして拍手してくれたのだ。
からの記事と詳細 ( 発言:浪曲の未来、「ご当地」と共に=玉川奈々福・浪曲師 - 毎日新聞 )
https://ift.tt/XVph7Rg
No comments:
Post a Comment