その元フィアンセとの出会ったのは4年前、日本でのある食事会だったという。 「最初はセレブが集まるホームパーティーで少し挨拶しただけの間柄でした。その後、彼はパキスタンに戻ったのですが、フェイスブックを通じて猛アタックを受けたんです。その時は無視してしまったんですが、昨春、コロナが世界中で広まって心配になり、大丈夫かしらと思って連絡を取ったんです」 簡単な英語で愛情を確かめ合う日々を重ねるうちに、思いが募っていった。そして泰葉は2020年8月上旬の数日間、単身でパキスタンの首都・イスラマバードに渡航。成田からトルコ・イスタンブールを経由する大旅行で、往復の渡航費用は約17万円だった。約6000キロの距離を乗り越えてやってきた泰葉を、彼は優しく迎え入れてくれた。 「彼はいいトコのボンボンで大地主の息子でした。私は結婚するつもりで渡ったので、現地で親しい間柄になったんです。私の頬を両手で包んで、号泣しながらアイラブユーと言ってくれました。住まいは現地の高級住宅地にあり、白いスズキの軽自動車でよくドライブに連れていってくれましたね」 当初はコロナ収束後に彼を日本に呼び寄せ、日本で婚姻届を提出する予定だった。だが、コロナ禍が続き、渡航のメドが立たないまま月日が流れた。そんななか、2020年末に泰葉の精神状態を心配した知人から心療内科の受診を勧められると、「双極性障害」と診断された。 「結婚するのは病気を治してからでないと失礼だと思ったので、12月31日にお別れのメッセージを送りました」 こうして、パキスタンの彼との恋物語はあっけなく終幕を迎えた。
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