あなたはビリヤニを知っていますか?
ビリヤニはインド周辺の国々で食べられているお米料理で、インドでは屋台からお祝いの席でも食べられる国民食なのだとか。めっちゃウマいらしい。
ぼくはビリヤニを食べたことがありません。自宅でもつくれるそうですが、なんかスパイスの調合とか、お米の加熱とか面倒くさそう……。
そんな中、誰でも簡単に美味しくつくれるビリヤニキットを開発した方がいらっしゃるとのこと。
その方とは、「ぐるぐるスパイス」というサイトで、「ぐるぐるスパイスの簡単ビリヤニキット」という商品の通信販売を行っている住本さん。
住本さんにビリヤニの魅力を教わりに行ってきました。
毎週火曜日限定で間借りビリヤニ
住本さんと会うためにやって来たのは、福岡の雑餉隈(ざっしょのくま)にある「スパイスカレー シャンバラ」。
レトロでかわいい看板。今日は火曜日だからお休みなのかなと思ったら「火曜日はビリヤニの日」とのこと。
「スパイスカレー シャンバラ」の定休日である火曜日限定で、「ぐるぐるスパイス」が出店しているのです。定休日を有効活用するスタイル。
今日は火曜日。「スパイスカレー シャンバラ」の店内には、ビリヤニの普及活動に勤しむ住本さんの姿がありました。
▲「ぐるぐるスパイス」代表の住本さん
今日は「ぐるぐるスパイスの簡単ビリヤニキット」を使って、ビリヤニをつくっていただこうと思います。
「ぐるぐるスパイスの簡単ビリヤニキット」は本当に簡単?
「ぐるぐるスパイスの簡単ビリヤニキット」(1,000円)はミックススパイス(25g)とバスマティライス(300g)のセットです。
ほかに用意する材料は、水、塩、サラダ油に、鶏もも肉(300g~450g)と玉ねぎ1個を追加するだけでOK。
▲ビリヤニの主な材料。意外にシンプル
これで3~4人前の量。家族みんなでビリヤニを楽しめます。
「ぐるぐるスパイスの簡単ビリヤニキット」には、以下のようなつくり方の図解が同封されています。
この図解に沿って、実際につくってもらいましょう。
バスマティライスは、インドで食べられている高級なお米です。洗米して、30分程度水に浸しておきます。
浸している間にバスマティライスを茹でるお湯(1,500ml)を沸かしながら、具材の準備。
フライパンにサラダ油(大さじ2杯)を熱し、スライスした玉ねぎとカットした鶏もも肉を炒めます。
スパイスを全部加え、焦げつかないように気を付けながら炒めます。火が通ったら具材完成。火を止めます。
すでにとってもいい香り。このまま食べても美味しそう!
具材ができたら、水に浸していたバスマティライスを茹でましょう。茹でるときはお湯に大さじ1杯の塩を加えてください。
7分ほど茹でたらちょっと味見。少し芯が残って、かた目くらいがベストです。お湯を切り、先ほどの具材の上にのせます。
このままフタをして、10分程度蒸らしたらOK。
蒸らしている間にバスマティライスにスパイスの味が染み込んでいき、お米もふっくらとしていきます。
ビリヤニにとっては大切な10分間ですが、ぼくたちはちょっぴり退屈ですよね。住本さんによると、この時間におすすめなのが「インドダンス」とのこと。
▲住本さんと一緒にインドダンスを踊りました
住本さんが行っているイベントや料理教室では、いつもこのダンスを踊っているとのこと。ビリヤニと同じくハマってしまっている方も多いのだとか。
住本さんがおすすめするインドダンスに合う曲は、Daler Mehndiさんの「Tunak Tunak Tun」。YouTubeにアップされているので、ぜひみなさんも見様見真似で、フィーリングで踊ってください。いい感じにお腹が空くし、食事へのバイブスがアガります。
※詳しいレシピはこちら。一部、本記事の説明と違うところがあります
日本の家庭で食べるカレーのような親しみやすい味
10分間蒸らすと、バスマティライスはふっくらとします。また少し味見して、もしまだ芯が残っていたら蒸らし続けてください。
いい蒸らし加減になっていれば、そのまま軽くかき混ぜて完成!
お店の場合は付け合わせを追加してくれます。ゆで卵、ミニトマトに三つ葉。さらに「ライタ」というヨーグルトでカットきゅうりをあえたサラダを加えます。
野菜を切る作業が玉ねぎだけだし、カレーライスよりも簡単なのでは。
初ビリヤニ、食べてみましょう。
細長い独特な形状のバスマティライスはコシがあるけど水分量が少なくホクホクしていて、スパイスとよく合います。麺とご飯の間のような食感。軽い口当たりで、たくさんの量をペロッといけちゃうんですよ。
スパイスはクセがあって辛いのかと思いきや、すんなり受け入れられる味と香り。日本の家庭で食べるカレーのような親しみやすい味わいでびっくりしました。
ミックススパイスは以下の6種類のスパイスを使用しています。
- コリアンダー
- クミン
- ターメリック
- カイエンペッパー
- ガーリックパウダー
- ジンジャーパウダー
住本さんによると「あえて凝ったスパイスは使っていない」とのこと。普段、スパイスに馴染みのない日本人でも親しめるようなシンプルな味わいを目指したのだそうです。
この中に、お好みのスパイスを追加して楽しむのもいいですね。
ちなみに、一般的なビリヤニのレシピでは調理時に生のにんにくやしょうがを入れることをおすすめしています。「ぐるぐるスパイスのビリヤニキット」の場合は、ジンジャーパウダーとガーリックパウダーを加えているため、その手間は不要ということです。
もちろん、鶏もも肉や玉ねぎを炒めるときに一緒に生のにんにくやしょうがを足すと、さらに美味しくなるそうです。
初めて食べたライタも美味しかった。
「お米にヨーグルト?」と聞くとピンとこないかもしれませんが、辛さを和らげてくれますし、スパイスとよく合います。
ぼくは給食に出ていた「ヨーグルトサラダ」を思い出して、なんだか懐かしくなりました。自宅でビリヤニをつくる際には、ぜひ試してみてください。
インド人から「なんじゃこりゃ!」って怒られたい
美味しいビリヤニをいただいた後で、住本さんにお話をうかがいました。
──ビリヤニに出会ったのはいつ頃ですか?
住本さん:2年ぐらい前です。青年海外協力隊を経験していたこともあり、国際協力系の仕事をしていたんです。そこで、バングラデシュの支援活動を行っている団体があり「次の料理教室の題材だよ~」って、ビリヤニを試食させてもらったんです。
──それが美味しかったと。
住本さん:ウマかった……。すぐ「つくろう!」と思っちゃいました。
──ビリヤニの普及活動はどれぐらいされているんでしょうか。
住本さん:2019年から福岡を拠点にビリヤニを食べてもらうイベントを実施して、2020年10月から、「スパイスカレー シャンバラ」で週1のビリヤニ屋さん営業を始めました。それと並行して月1~2回のペースでビリヤニ料理教室を実施しています。
──かなり地元に根付いた活動をされてらっしゃるんですね。
住本さん:そうですね。ここ雑餉隈の地で、イベント実施、チラシ配布などの活動を行っていますし、ビリヤニ屋さんの仕入れにも極力地元のお店を使っています。
──ビリヤニの具材は地元で仕入れていたんですね。
住本さん:近所の八百屋さんのプチトマトが美味しいと思ったので、付け合わせに加えました。毎週買ってると八百屋さんも顔を覚えてくれて、ビリヤニを食べにきてくれましたし、ビリヤニキットも家庭で試してくれたそうです。
──地域からビリヤニを盛り上げようとされているんですね。ご近所の方でハマった方もいるのでは?
住本さん:リピーターになってくれている方もいらっしゃいます。近所で買い物したり、飲みに行ったりしているうちに、だんだんとビリヤニの認知向上に貢献できているのかなと。ほかにも拠点を増やしたいですね。
──拠点が増えたら盛り上がりそうですね。あまりビリヤニを飲食店で見かけないので……。
住本さん:「ぐるぐるスパイスの簡単ビリヤニキット」は飲食店で使ってもらうのもOKなので、ぜひ活用していただきたいです。
──簡単につくれるから、飲食店で導入しやすいと思います。家庭でも使いやすいですしね。
住本さん:ビリヤニをつくろうとすると「面倒くさいな」って思うことがあると思います。スパイスを何種類も買ってきたりとか。それと炊飯器でつくるレシピも多いんですが、炊飯器にスパイスの香りがついちゃうんですよね。
──たしかにビリヤニをつくった後、ふつうのご飯にも香りがうつるのはイヤですね。
住本さん:そうでしょう。ぼくが自宅でつくってたときも、同居人から文句を言われちゃいました(笑)。せっかく買ったバスマティライスが少し余っちゃうなんてこともモヤモヤのひとつでした。
──そのフラストレーションを発散して簡単にした商品が「ぐるぐるスパイスの簡単ビリヤニキット」ということなんですね。味も親しみやすくなるように、かなり割り切っている。
住本さん:たとえば、カレーがメジャーになったのって、簡単で美味しくて、家庭でつくれるからだと思います。それからカレー好きがどんどん増えて、いろんな飲食店で本格的なものが食べられるようになりました。
──たしかに。カレーライスもインドのカレーとは全然違いますもんね。
住本さん:「ぐるぐるスパイス」は、まずは日本人に好かれる味付けのビリヤニを家庭に浸透させたい。そしてインド人から「なんじゃこりゃ!」って怒られたいです。ゆくゆくは本格的なビリヤニが食べられる場所がもっと増えるとすごく嬉しいなって思います。
カレーに合う具材はビリヤニに入れても美味しい
──レシピのこだわりポイントはどこでしょうか?
住本さん:バスマティライスを茹でることですね。ビリヤニの簡単レシピは炊飯器を使うケースが多いんですが、水分量を間違えちゃうと後戻りができないんですよ。
──なるほど。バスマティライスを茹でることで、途中で味見もできるし。失敗しそうなポイントがないレシピですよね。
住本さん:そうですね。茹でる時の水1,500ml、塩大さじ1杯さえ守ってもらえれば大丈夫です。インドダンスでも踊って、楽しくつくってください。
──今回は具材に鶏もも肉と玉ねぎを使いましたが、ほかにおすすめの具材はありますか?
住本さん:鶏もも肉のかわりにシーフードを使うのもおすすめです。冷凍のシーフードミックスや、サバ缶でもいいですね。
▲試しに自宅で冷凍シーフードを使ったビリヤニをつくりましたが美味でした
住本さん:具材はカレーに合うものなら、なんでも美味しいと思います。いろいろ試してみてほしいです。
ビリヤニは家庭料理の定番になれるはず
すっかり、ぼくはビリヤニにハマってしまい、「ぐるぐるスパイスの簡単ビリヤニキット」を使って自宅でビリヤニをよくつくるようになりました。
送料込み、3~4人前で1,000円。手ごろな価格で外食気分を味わえてありがたい。冷めても美味しいところもいい。
いろんなお店でビリヤニを食べてみたいという気持ちにもなりました。
ぜひあなたもビリヤニを家庭でつくって、食べてみてください。インドダンスでも踊りながら。
書いた人:大塚たくま
福岡に住む九州を愛するライターで二児の父。グルメ、旅行、子育てに関する記事を多数執筆。便利で心を動かす記事を書きたい。取材が大好きで、情報量の多い記事を目指しています。
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