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Tuesday, November 30, 2021

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【SDGsおじさん】コンポストってな〜に??

SDGsおじさんのコラムをはじめて、プラスチック!プラスチック!と書いてきた僕ですが、前回のコラムでは突如コンポスト!循環型社会!と言い出し、コンポストって何だっけ?という方を置いてけぼりにしてしまったかなと思います。そこで、そもそもコンポストはどういう仕組みなのか?実際にどうやって運営しているのか?について今回はお話したいと思います。

コンポストの仕組み

一般的にはいくつかの種類や方法がありますが、RKBのるるるる~るるガーデンが始まるにあたり指導して頂いた循環生活研究所さんの段ボールコンポストについて。もともと段ボール箱には、ヤシ殻チップなどの基材が入っています。あとはその中に生ごみを投入してかき混ぜるだけです。とても簡単です。

コンポストに入れていいもの

肉でも野菜でも何でもありです。卵の殻や魚の骨も大丈夫です。毎週金曜日は食堂が揚げ物の油の入れ替えを行うので油かすも入ります。生ごみは水分を切る必要はなく、そのまま投入。キャベツの芯などはひと口大くらいに刻むのですが、我々はハサミではなくスコップで切れるようなスキルも身につきました。そして投入からおよそ4〜5日すると分解が始まります。分解者の正体は微生物です。箱に菌などを投入するのではなく、大気中から自然と集まってくるようです。不思議ですよね。分解が始まると日に日に中身の温度が上昇していきます。最高記録は69度。箱を開けるだけで湯気が立ち昇るほど温まってきます。

微生物が好きな生ごみ

これまでの経験で分かったのですが、どうやら微生物は我々人間と好みが似ているようで、脂っこいものや甘いものを入れると分解のスピードがあがります。

コンポストに必要な三大要素

日々「生ごみを入れて混ぜる」を繰り返すのですが、それはただ生ごみを基材にまぶすために行うわけではありません。微生物も生き物です。呼吸をするし、養分や水分がないと活動できません。混ぜることで微生物へ酸素を与えているのです。生ごみの水分と養分、そして酸素、これが生ごみの分解には欠かせない3大要素です。学校だったら、ここテストに出ます。

コンポストの仕上げは熟

毎日投入した生ごみの量を記録し、1箱に約50kg入れたら投入期間は終了です。そこから1ヶ月ほど熟成期間に入ります。熟成期間というのは入っている生ごみの分解を全て終わらせるまでの期間のことを言います。生ごみを入れ終わってすぐはまだ分解が進んでいる段階なので熱を持っており、そのまま堆肥として土と混ぜると野菜の根が傷んでしまうそうです。そうならないようにするため、熟成期間は週に1回程度混ぜて箱の中に生ごみが残ってしまわないように分解させてしまうのです。

RKBのるるるる~るるガーデンでのコンポストの運営について

るるるる~るるガーデンでは社員食堂の生ごみをコンポストして堆肥を作り、その堆肥を使って野菜を作る活動。るるるる〜るるガーデン!活動開始から1年8ヶ月、楽しく続けられています。しかしつい先日、コンポスト開始当時に自分がFacebookに書き込んだ文章を見て驚きました。「とりあえず1ヶ月半続けてみます」。まさかの途中でやめる可能性も示唆していました。そんな記憶は全くないほどに充実した活動を継続できています。

午後2時。るるるメンバーが食堂に集合する時間です。生ごみは食堂が営業している限りは必ず出るので、平日は毎日活動しています。時間の変更などは「るるるメンバー」専用のLINEグループで行っています。活動開始と同時に、社内に僕のLINEアカウントのQRコードを添付したポスターを貼り、希望者はそこから繋がるという仕組みにしてみました。今では登録者数は40名。とは言え、午後2時という時間設定のため仕事が忙しい人が多く、1日の参加者は2〜4名ほど。中心メンバーは僕とADのマキちゃんの2人です。当初は同じ部署の後輩2人(田尾ちゃんと金子)もいたのですが、人事異動により定期的な参加が不可能となってしまいました。それ以外には週に2〜3度参加してくれる準レギュラーメンバーが8名前後。時々、僕自身も取材などで外出していることがあり、マキちゃんが1人になってしまうこともあります。1日の最高記録である15kgもの生ごみが出た日も、マキちゃんが1人の時でした。(いつもありがとう、マキちゃん。)

「生ごみを焼却場で処分するのは焼却炉に水を掛けているようなもの!なぜなら生ごみは90%が水分だから。」ということを循環生活研究所さんから最初に教わったのですが、コンポストを続ければ続けるほど、それを実感できる変化も見てとれるようになります。なんと箱の中身の量が増えないのです。段ボール箱には1箱につき最大50kgの生ごみを入れるのですが、これまで溢れたことは一度もありません。むしろ量にほぼ変化がないのです。微生物に分解され段ボールの中の生ごみが温度上昇することで水分は蒸発していくからです。

毎日混ぜていると腰が痛くなったり、1人でやっていると虚しさを感じることもあります。しかし、腰の痛みや虚しさは活動をやめる理由になりません。コンポスト活動の目的は「安心安全で美味しい野菜を食べる」ためです。それが叶うのなら少しの苦労は当然ですよね。コンポストは、美味しい野菜にたどり着くまでの過程で環境負荷も抑えられるし、生ごみを捨てるということはまだ残っている有用な栄養分を捨てているということを考えると続けないという選択肢はありません。「捨てない生活」皆さんもいかがでしょうか。

SDGsおじさん 松井聡史/RKBテレビ制作部ディレクター

【現在】カメラやパソコンよりも土を触ってる時間の方が圧倒的に長いRKB農園部(自称)。最近の仕事は、生ごみのコンポスト、畑の水やり、除草作業、野菜の販売、そして時々、番組企画書の作成。RKBラジオよなおし堂ではレギュラーでコーナーを持ち、SDGsを発信している。

【経歴】東京で約10年間、映画監督大根仁監督(「モテキ」など)に師事し、監督としてのスキルではなく、「変わったことをしたがり」な性格だけを学ぶ。2018年、地元福岡でRKBミューズに入社。同年「柴咲コウのサステイナブルな旅」を担当し、一気に環境脳となり、今に至る。

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