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Friday, February 18, 2022

<4>考える姿勢 生きている - 読売新聞

 昨年は一軍を経験するという目標を立てていたので、達成できてよかったです。初めての一軍登板は昨年4月29日。1週間前くらいに二軍の投手コーチから「この日投げるから」と言われた。当日はたくさんの観客がいたので、試合前のキャッチボールから緊張しました。

 一軍レベルの相手はボール球をまったく振ってくれず、二軍で振ってくれたコースも見送られた。5回5失点で敗戦投手。ストライクかどうかぎりぎりの厳しいコースに投げられず、悔しかったです。

 《5度目の登板となった昨年6月18日、7回2失点、10奪三振と好投。念願の初勝利を挙げた》

 やっと勝てた。やっとプロ野球選手になれた。プロの世界で一つ勝つことがどれだけ大変か、よくわかりました。明るい顔で地元に帰れると思いました。

 勝てなかった時期に緩急があった方がいいとチェンジアップを必死で練習し、1週間で習得できた。捕手からは「外角の低めに投げ込めていない」と指摘を受けました。内角に投げ込むことばかりを重視していたんですが、そこからは外角にも投げ込めるよう練習しました。

 抑えても、打たれても、勉強になります。プロの打者が真剣に打とうとしているのをどう抑えるか。すべての経験が成長につながるので、野球をしていてとても楽しいです。

 実は、丹生高校時代にフォームを矯正しようとしました。投げるときに左の肩甲骨が背中側に大きく入る癖があり、監督に指摘されたからです。でも、合わないと思って、元の形に戻しました。肩甲骨が柔らかいのは、幼い頃から背中に腕を寄せる癖があったからかな。ウェートトレーニングも合わないと思ったものはやらなかったです。

 高校で、どんな投げ方や練習が自分に合っているのか、考える力が身につきました。自分で考える姿勢はプロでも生きていて、昨年調子が悪かった時期も、投げるときに力を入れるタイミングを色々考え、試して乗り越えました。

 《今年は先発ローテーションとして期待されている》

 昨年は変化球に頼ってしまう場面が多かったので、ストレートに磨きをかけたいです。球速ではなく、バッターに速いと思わせる球を投げたい。もちろん2桁、10勝以上勝ちたいです。まずは、けがをせずに先発として1年間投げ続け、勝ち星の貯金を作ることが目標です。

 高校時代の練習が今の自分の支え。丹生高の坂道でのダッシュが、広島の厳しい練習についていける下地になっていると思う。越前町という小さな町からでもプロに行けた。あきらめずに全力で取り組めば道は開けることを示せるよう、活躍したいです。(聞き手・長沢勇貴)

(おわり)

 ◇たまむら・しょうご 強豪私立高の誘いを断って地元の丹生高に進学。3年夏の福井大会5試合すべてに登板し、計52奪三振。大会記録を更新し、チームを準優勝に導いた。2019年に広島カープからドラフト6位指名され、入団した。21年は一軍で17試合に登板し、4勝7敗、防御率3・83。

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