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Friday, April 24, 2020

使用済みマスクも再利用! 簡単に家庭で作れる「懐紙」の本格的マスク - serai.jp

新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、なかなかマスクが手に入らない状況です。政府が配布する布マスクも評判は甚だ芳しくありません。さりとて、ドラッグストアの前でマスクを手に入れるために、行列を作るのも感染リスクが高くなりますよね。どうしたものかと悩んでおられませんか?
そこで京都の懐紙専門店「辻徳」がそうした悩みを簡単に解決できる、「懐紙のマスク」を考案しました。家庭でも簡単に作ることができますので、ご紹介いたします。

■マスク不足の今こそ、懐紙の出番です

「辻徳」の懐紙。右から通常版の「宝石」、大判の「石庭」。懐紙のマスクを作成する際、男性には大判の懐紙が向いています。

「サライ世代の方々は、お茶席やお客様にお菓子をお出しする時に、懐紙をよくお使いになられるかと思います。そんな身近な懐紙がマスクにもなるんです。
日本では古来より神事などにおいて、飛沫を防ぐために和紙をマスクのように使って来たならわしがあります。今こそ、先人たちの知恵を現代に活かすべきだと思って、このマスクを考案しました。
懐紙のマスクはあくまでも応急的なものですが、新しいマスクが手に入らずお困りの方には、ぜひともご活用いただきたいです」と「辻徳」の辻専務はおっしゃいます。

京都・平安神宮の大鳥居近くに位置する懐紙専門店「辻徳」

では早速、懐紙のマスクの作り方をご説明していきましょう。

■折り紙感覚で楽しんで作れる、懐紙のプリーツマスク

手作りマスクといえば、布を使って縫製をしたり、手間がかかるというイメージがありますよね。しかし、この懐紙のマスクは、型紙を起こしたり、針を使ったりする必要はまったくございません。紙で作るというと、ハサミで切ったり、のりで貼ったりするんじゃないかと推測されるかもしれませんが、その必要もありません。
折り紙感覚で楽しみながら、短時間でプリーツマスクを作ることができますよ。外出が制限される中、ご夫婦やご家族間でレクリエーション感覚でお楽しみいただけると思います。
皆さんが驚くほど簡単な方法ですので、ぜひお試しください。当然のことですが、作業前にはしっかりと手を洗ってから製作を開始してくださいね。

<材料と道具>

材料と道具は以下の通りです。

・ハサミ
・サージカルテープ(ない場合は、マスキングテープでも対応できます。ただしサージカルテープに比べると、剥がれやすくなりますのでご注意ください)
・懐紙1枚
・ラッピングタイ:6cm
・ゴム:約50cm(耳にかけるので、柔らかめのゴムをご利用ください)

<作り方>

1:作業の開始

最初に、懐紙を裏面にして置きます。ざらざらとしている方が、裏面です。そして、ラッピングタイを長さ6cmほどに切ります。その裏面の一番手前にラッピングタイを置いて、サージカルテープでとめます。

2: ラッピングタイを包み込む

ラッピングタイの幅に合わせて、包み込むように、懐紙を2回折り込みます。

3: 半分に折る

その後、懐紙を2等分に折ります。

4: プリーツのための折線をつける

2等分に折った懐紙を手前の閉じている方から、約1cm幅で谷折と山折を交互に5回繰り返します。折り終わったら、しっかりと折り目を付けてください。

そして、ラッピングタイの包んだ部分が上奥になるように開いてください。その時、ラッピングタイの包み折は、開かないようにします。

5:プリーツを作る

折り目に沿って、マスクの蛇腹部分である、プリーツを作ります。ラッピングタイの包み込み折のところから、最初の谷折を、山折に変更します。変更した山折を、手前に倒して押さえます。押さえ込んだ山折の次に出てくる山折を、更に手前に倒して、しっかりと押さえます。

次に出てくる、二つ目の谷折を、山折に変更します。その山折を奥側に倒して、しっかりと押さえます。その状態を保持したまま、一番手前にある山折を奥へ倒します。しっかり押さえたら、プリーツの完成です。

6:ゴムの取り付け

用意したゴムを、約25cmの長さに切ります。そのゴムの両端を、玉結びにします。次に、懐紙を裏面にして、端の部分に、玉結びをしたゴムを貼り付けます。

張り付けるとき、玉結びの根元を張り付けるようにします。玉結びの部分を、貼り付けてしまうと、ゴムが抜けてしまいます。
反対側も同様にゴムを取り付けます。

7:プリーツをテープで固定する

プリーツ状にした懐紙を、サージカルテープでとめます。形のいいマスクにするために、両端をしっかりととめましょう。

8: 懐紙のプリーツマスクの完成!

これで完成です。短時間で懐紙を使ったマスクが出来上がります。プリーツを広げれば、市販のマスクと遜色ありません。立体的なプリーツマスクを利用できます。

▼こちらの作り方は動画でもご覧いただけます。
また、詳細な作り方と型紙は「辻徳」のホームページからダウンロードできます。

■使用済みマスクの再利用方法

使い終わった市販のマスクはどうされていますか? 衛生上の問題もあり、ほとんどの方は廃棄されていることでしょう。懐紙のマスクは、使用済みマスクの再利用にも応用できるんです。再利用方法をご紹介していきましょう。

<材料と道具>

・ゴムのついた使用済みマスク1枚
・サージカルテープ(ない場合は、マスキングテープでもOK。ただしサージカルテープに比べると、剥がれやすくなります)
・懐紙1枚
・ハサミ

<作り方>

1:使用済みマスクからゴムとワイヤーを取り外す

使い古したマスクのゴムが固定されている部分を大きめに切り取ります。

そして、鼻腔用についていたワイヤーも取り出します。使用済みマスクから切り離した材料は、アルコール液などで十分に消毒をしましょう。

2: ワイヤーを包み込む

懐紙の裏面に、ワイヤーをサージカルテープでとめます。ワイヤーの幅に合わせて、包み込むように、懐紙を2回折り込みます。

※↓3-5の作り方は、先述した懐紙のマスクと同様です↓※

3: 半分に折る

その後、懐紙を2等分に折ります。

4: プリーツのための折線をつける

2等分に折った懐紙を手前の閉じている方から、約1cm幅で谷折と山折を交互に5回繰り返します。折り終わったら、しっかりと折り目を付けてください。ワイヤーの包んだ部分が上奥になるように開いてください。その時、ワイヤーの包み折は、開かないようにします。

5:プリーツを作る

折り目に沿って、マスクの蛇腹部分である、プリーツを作ります。ワイヤーの包み込み折のところから、最初の谷折を、山折に変更します。変更した山折を、手前に倒して押さえます。抑え込んだ山折の次に出てくる山折を、更に手前に倒して、しっかりと押さえます。

次に出てくる、二つ目の谷折を、山折に変更します。変更した山折を、奥側に倒して、しっかりと押さえます。その状態を保持したまま、一番手前にある山折を奥へ倒します。しっかり押さえたら、プリーツが出来上がります。

6:ゴムの取り付け

1で切り離した「マスクのゴム」部分を、細く切ります。この時、ゴムを切り取ってしまわないように、注意しましょう。プリーツ状態になった懐紙に合わせて両端をサージカルテープで貼り付けます。その時、余ってしまった上下の布は後ろに折り返して、サージカルテープにでしっかりとめてください。

7:再利用した懐紙のプリーツマスクの完成!

これで完成です。再利用するとより短時間でマスクが出来上がります。

詳細な作り方と型紙は「辻徳」のホームページより配布しております。

***

世界中の人々が「マスクがない、マスクがない」と憂いています。しかしながら、先人の知恵を借りて自ら工夫をすることで、今のマスク不足は解消することができます。日本で生まれ、大切に育まれた作法を今こそ、活用しましょう。

「懐紙のマスク」について教えてくれたのは:
京都懐紙専門店「辻徳

「辻徳」は、京都・平安神宮の大鳥居近くに位置する懐紙専門店。新しい感覚を取り入れた懐紙を100種類以上生産・販売しています。

取材・文/末原美裕
小学館で11年間雑誌の編集部門において実務経験を経たのちに独立。フリーの編集者・ライター・Webディレクターに。京都メディアライン(https://kyotomedialine.com Facebook:https://www.facebook.com/kyotomedialine/)代表。2014年、文化と自然豊かな京都に移住。

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