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Wednesday, July 29, 2020

シニアでも簡単?! ガラケー母のマイナポイントをWAONで申請した - Impress Watch

なにかと世間を賑わせているマイナンバーカードですが、この夏から秋にかけて注目の施策がスタートします。そう「マイナポイント」です。Impress Watchでも度々記事に取り上げられていますが、つまるところ「マイナンバーカードを持っていれば、キャッシュレス決済の利用に応じて最大5,000円が貰える」。これを機にマイナンバーカードを作る人も多いのではないでしょうか?

ここで気になったのが、シニア層とマイナポイントの関係について。我が母はすでに80歳を超えているのですが、身分証明書代わりにマイナンバーカードを所持していて、さらにコロナ禍を契機に、電子マネー「WAON」を使うようになりました。しかし携帯電話はガラケー(フィーチャーフォン)のまま。そもそもデータ通信を契約していないので、メールアドレスすらありません。

結論から言えば、こうしたITと無縁のシニア層でもマイナポイントはバッチリ貰えます。具体的な手順を見ていきましょう。

マイナンバーカードがあれば、キャッシュレス決済で最大5,000円貰える!

マイナポイントを貰いたい場合、まず絶対必要になるのが「マイナンバーカード」です。この手続きばかりはどうやってもスキップすることができないのでImpress Watchの過去記事を参考に、取得してください。オンラインか郵送で手続きし、それから約1カ月後に届く書類を持って、自治体の窓口へ足を運んで受け取ることになります。発行は無料です。

マイナンバーカードを作ってみた。申請は簡単。でも1カ月かかる

マイナポイントは国が主体で実施している事業です。電子マネー・クレジットカード・○○Payなど各種キャッシュレス決済の利用額に応じて、後の買い物などに使えるポイント等が最大5,000円分付与されます。

マイナポイント事業には、100社以上のキャッシュレス決済事業者が登録していて、消費者側はそのうちどれか1つの事業者を任意に選択します。10社選んで5万ポイント!……なんてことはできず、あくまで1人1社、かつ5,000円まで。また、登録するだけでポイントが貰える訳ではなく、電子マネーにチャージした額や、クレジットカードで購入した額の25%分のポイントが、上限5,000円相当までバックされるイメージです。

この決済事業者の選択は、正直かなり迷うところです。7月末時点で100社近い事業者が登録されていますが、8月~9月にかけてさらに多くの事業者が参画予定となっているのです。

また、事業者が独自に、マイナポイント5,000円分とは別に、500円・1,000円分特典を上乗せする例もいくつかあります。そして何より、1度事業者選択をしてしまうと、後日の変更ができません。

すでに100社以上のキャッシュレス決済サービスがマイナポイントに対応予定

80代の母はWAONを選択、申請は息子のスマホ&専用アプリから

とはいえ、我が家の80代の母の場合は簡単で、電子マネー「WAON」(発行:イオンリテール)の事実上一択でした。クレジットのVISAカード、電子マネーのSuicaを持ってはいるものの、どちらも“普段の買い物”に使うのは稀。一方、自宅最寄りのスーパーではWAONをかなりヘビーに使うようになりました。食費だけでも1カ月の決済額が2万円を超えるのはザラなので、上限いっぱい5,000円を貰うのも現実的です。

加えて、WAONでは追加で10%・上限2,000円分の電子マネーを独自にプレゼント。具体的には2万円チャージすると5,000円+2,000円=合計7,000円相当が貰えるのです。地元の生活圏でWAONが使える以上、この特典は見逃せません。

「WAON」の公式サイトでは、マイナポイントに連動した“2,000円上乗せ”キャンペーンを大々的にアピール

その母ですが、身分証明書用にマイナンバーカードを2016年の段階で取得済みでした。またWAONは物理カードタイプのものを持ち歩いています。しかし個人のスマホはなく、メールアドレスも持っていません。ITとはほぼほぼ無縁の生活を送っています。

しかし、それでもマイナポイント申請は全く問題ありません。申請者本人がスマホやPCを持っていなくても、家族だったり知人がスマホを持っていれば、手続きを肩代わりしてしまえばいいのです。

母のWAONカード。母自身はスマホを使っていなくても、家族のスマホでマイナポイントの手続きはできます

今回用意したのは、筆者私物のiPhone 7。2016年9月の発売からだいぶ時間が経ちましたが、OSのアップデートも継続しており、なによりまずポイント申請に必要な「マイナポイントアプリ」(配布元は総務省。iOS/Android対応)の動作対応機種に含まれています。

「マイナポイントアプリ」の対応機種一覧は、マイナポイントの公式サイトにて公開中です。iOS製品ではiPhone 7が最も古い対応機種となっていて、逆にiPhone 6sは未対応。Androidはおおむね2015~2016年以降に発売されたキャリア系モデルを中心に動作確認が行なわれています。

基本的には、この「マイナポイントアプリ」さえあれば手続きは完結させられるのですが、WAONの場合はこれに加えて「WAONマイナポイント申込アプリ」という別アプリを用意しており、申請に必要なシリアル番号入力の手間などを軽減してくれます。せっかくですので、今回はこれらアプリ2種を使った申請にチャレンジしてみました。

筆者私物のiPhone 7に「マイナポイントアプリ」「WAONマイナポイント申込アプリ」をインストールし、手続きしました

カードをスマホ背面のリーダーにタッチ

さて、本稿ではここまでマイナポイントの“申請”という表現を使ってきましたが、その一連の手続きは「予約」「申込」の2段階に分かれています。

「予約」とは、マイナポイントを貰う上でのもう1つの前提条件である「マイキーID」の取得を意味します。マイキーIDは、マイナンバーカードのICチップに保持されるID(個人識別用の文字列)で、一部自治体が独自に発行している「自治体ポイント」などの管理にも使われています。もしかすると、マイキーIDを取得済み、つまり「予約済み」の方も少なからずいるかもしれません。

対して「申込」は、前述の決済事業者を選択する作業。こちらが7月1日にスタートしたこともあり、マイナポイント関連の報道・ニュース記事が一時急増した格好です。母もこれを見聞きして「私の使っているWAONで、マイナポイントってのは貰えないの?」と聞いてきたので、ならばと筆者が手続きをしてあげた訳です。

さて「マイナポイントアプリ」「WAONマイナポイント申込アプリ」の2つがあれば、この「予約」「申込」が同時に行なえます。

まずは「WAONマイナポイント申込アプリ」を起動。すると以下の画面のように、WAONカードをiPhoneにかざすよう、促されます。

「WAONマイナポイント申込アプリ」を起動すると、利用規約の同意に続いてこの画面に
この画面になったらWAONカードをiPhone 7の背面にタッチするのだが……

ここで注意したいのが、そのタッチ位置です。iPhone 7の場合、WAONカードなど、いわゆる非接触型ICカードを読み込むためのアンテナ配置がかなり独特で、縦持ちしたiPhone 7の上端部背面に、カードを横向きにして接触させるのが最適とされています。

これ以外の場所──たとえば本体背面のど真ん中あたりにカードをタッチさせても、ほぼ読み込めません。アプリの操作をしているだけでは、こうしたポイントに気付くのは正直難しいです(関連のヘルプ記事もありますが気付きにくい)。

iPhone 7でカードをタッチする(かざす)位置はここ
ほとんど変わらないように見えますが、この画像の位置だと悉く読み込んでくれません

それでも読み込めない場合は、非鉄製の机の上などにWAONカードを置き、その上にiPhoneを乗せて“静止”させましょう(タッチさせたり離したりを繰り返さない)。筆者が試した環境では、カードとiPhoneが物理的に接触した瞬間に処理完結とはならず、3~5秒程度の時間が経ってからはじめて、画面内容が変わるようです。iPhoneとカードを両方手に持った状態だと、静止させるのが意外と難しいため、ならば机に置いてしまおうという訳です。

読み込みの精度は、iPhoneの世代、個体差、経年劣化による故障など、色々な要因で上下するとも思われます。もし上手くいかない場合は、カードをタッチし直したり、アプリを再起動したり、スマホのカバーを外すなど、色々試してみてください。ただ筆者が体験した限り、最も重要なのは「3~5秒静止させる」ことでしたのでご参考まで。

iPhone 7でカード読み込みが上手くいかない場合は、このようにテーブルの上で置いてガッチリ“静止”させてみるのもオススメ

マイナンバーカードの暗証番号間違えに注意!

WAONの読み込みが完了したら、続いてはマイナンバーカードの読み取りです。画面の指示に従ったボタンをタップすると、今度は「マイナポイントアプリ」が起動し、同様にマイナンバーカードのタッチを促されます。ここでもやはりカード位置に注意しましょう。

「WAONマイナポイント申込アプリ」の出番はここまで。この画面でタップすると今度は「マイナポイントアプリ」が起動
「マイナポイントアプリ」でマイナンバーカードを読み込み

また、この際にはマイナンバーカードの窓口発行時に設定した「利用者証明用電子証明書暗証番号」(数字4桁)を入力することになります。この暗証番号、連続3回で入力をミスするとロックがかかり、解除するためには再び自治体窓口へ足を運んで解除手続きをしなければなりません。

くれぐれもお間違えなきよう! iPhoneではまず暗証番号の入力を確定させてから……
確定させた後、カードをタッチします。「タッチさせたまま暗証番号入力」ではありません

例えば親御さんに変わってご子息がマイナポイントの「予約」「申込」をやってあげる場合、暗証番号入力だけは親御さんご自身にやってもらうのが筋でしょう。ただ、カード読み込み失敗の度に暗証番号入力をすることになってしまうので、できれば自分自身のマイナンバーカードを使って「予約」「申込」し、端末のクセをチェックしておくのが理想です。

マイナンバーカードの認証さえ終われば、続いては決済事業者の最終確認。今回は「WAONマイナポイント申込アプリ」を利用しているので、画面表示的には「WAON」でのマイナポイント「申込」を「同意する」ボタンを押せば、申込日時や処理番号が表示され、手続きは完了となります。画面のスクリーンショットを撮っておくと良いでしょう。

WAONでのマイナポイント「申込」の最終確認
この画面が出れば手続き完了。お疲れ様でした

なお、マイナポイントの申込状況は「マイナポイントアプリ」からいつでも確認できます。マイナンバーカードをスマホにタッチさせ、暗証番号を入力し、ログインすれば、選択した決済サービス名、申込処理番号などが表示されます。

しかし、ここまでやっても母の行動に特段の変化はなし。一応「マイキーID」をメモして母に手渡ししたものの、それをすぐ使うこともなく、ましてやWAONカードの見てくれが変わる訳でもありません。「ふーん、ありがとう」の一言で終わり。まぁ、こんなモンですよね(笑)

さて、ここまででお気付きの方もいるかもしれませんが、申請にあたっては名前、住所はもちろん、固定・携帯の電話番号、メールアドレス、パスワードなどは一切入力していません。通販サイト慣れした筆者としては、登録の控えくらいメールで送ってよとも思うのですが、むしろその仕様のおかげで、余計な手間をかけずに母のマイナポイント「申込」を完了させられたのでした。スマホで文字入力できない母に、無料とはいえメールアドレスを取得させ、かつパスワードを決めさせるのは相当骨ですからね……。

「マイナポイントアプリ」でログインしても、マイナポイントの申込状況が確認できます

オマケ~筆者はau PAYで申請

一方の筆者ですが、オンライン確定申告(e-Tax)のためにマイナンバーカードを取得済みですので、やはりマイナポイントの手続きをしてみました。最初は母同様、WAONでの申請を検討していましたが、それだと芸がないので、au PAYをチョイス。こちらは1,000円の上乗せキャンペーンを実施しています。

手続きは、日ごろから使っているau版Galaxy S10にインストールしてある「au PAY」アプリから行なえました。アプリのTOP画面には「マイナポイント」のアイコンが表示されているので、これをタップ。

「au PAY」アプリのTOP画面には「マイナポイント」のロゴ
マイナポイントの申請もau PAYアプリから

案内に従って進むと、別途インストールしておいた「マイナポイントアプリ」が起動し、やはりマイナンバーカードのタッチおよび暗証番号入力による個人認証を行ないます。前述のiPhone 7と比較すると、カードのタッチ位置は全く違うわ、認証に必要な時間も1秒以下と圧倒的に短かったり、その違いにとにかくビックリ。またiPhone 7では「暗証番号を入力してからはじめてカードをタッチ」でしたが、Galaxy S10(Android)では「カードをタッチさせたまま暗証番号を入力」するという違いもありました。

Galaxy S10の場合は、マイナンバーカードをタッチするのはこの位置
手続きが完了すると、au PAYアプリにも結果が反映されるので安心

手続きもほぼこれだけ。au PAYを普段使いしている方なら、マイナンバーカードさえあれば相当簡単に手続きが完了します。本来なら必要なau PAY会員ナンバーやセキュリティコードの入力手続きも、au PAYアプリが済ませてくれた格好です。また、手続き完了をキャリアメールで知らせてくれるのも親切でした。

マイナンバーカードを持っているなら是非トライを

筆者の母が手続きしたWAONの例を見ても分かるように、マイナポイントの「予約」「申込」にあたっては徹頭徹尾、メールアドレスも携帯電話番号も用いません。マイナポイントの登録を一時的に家族(筆者)が手伝ってさえあげすれば、あとは母が普段通り買い物するだけでマイナポイントが付与されます。マイナンバーカードをスーパーのレジで毎回見せるような仕組みではないことも、忘れてはいけません。

「WAONマイナポイント申込アプリ」のような、設定サポートアプリも是非使ってみましょう。「au PAY」アプリのマイナポイント申請機能もほぼ似た仕組みなっていて、なにより十数桁におよぶ複雑な識別番号を入れる手間が省けます。入力ミスを抑える効果も高いはずです。

「WAONマイナポイント申込アプリ」を使わず、「マイナポイントアプリ」だけで手続きしようとすると、カード裏面のシリアル番号(16桁)を手打ちしなければなりません
au PAYでもほぼ同様。本来は19桁の「au PAY会員ナンバー」を入力する手間が軽減されます

また、そもそもスマホを使わずに、コンビニにあるコピー機や、郵便局・携帯電話ショップ・大型電器店など一部店舗で展開される「マイナポイント手続スポット」からの「予約」「申込」も可能です(一部非対応の決済事業者あり)。「マイナンバーカードは持っているけど、スマホとか使わないし……」という方がもし周りにいれば、ぜひ教えてあげてください。

マイナポイント制度の運用はいくつかのフェーズに分かれており、7~8月の段階ではまだ「予約」「申込」を受け付けているのみ。次の注目は9月1日です。同日以降、かつ2021年3月までの電子マネーチャージやクレジットカード決済に対し、マイナポイントが付与されます。ですので、8月31日に買い物をするくらいなら1日待ったほうがいいかもしれません?!

マイナポイントが付与されるのは予算の関係上、「予約」(マイキーID設定)を実行した先着4,000万人までの予定です。マイナンバーカードの発行枚数が7月1日の時点で約2,225万枚(総務省発表)、マイキーID設定者数は7月12日時点で210万人と、相当余裕はあるようですが、一応気に留めておきましょう。

なお、マイナポイントがどのように申請者個人のポイント口座なりウォレットに振り込まれるかは、選択する決済事業者によってもだいぶ変わります。電子マネー系の事業者であれば、ポイントではなくあくまで現金相当の電子マネーとして還元される例が多いですし、対してクレジットカード系の事業者は、支払い額に対する返金ではなく、付帯ポイントとして支払われるのが一般的なようです。

このほか、マイナポイントの付与タイミングも各社違うとみられます。もし決済事業者を決めきれないという方は、まず「予約」だけ済ませ、「申込」は少し様子を見るのも、1つの手でしょう。

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July 30, 2020 at 06:30AM
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