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Tuesday, September 28, 2021

鉄板を溶かして切って新たな命 溶接テーマパークがオープン 岐阜 - 毎日新聞 - 毎日新聞

鉄板同士を溶接する藤沢直美さん。来場者は溶接や溶断を体験できる=岐阜県岐南町徳田3で2021年9月23日午前11時24分、荒川基従撮影 拡大
鉄板同士を溶接する藤沢直美さん。来場者は溶接や溶断を体験できる=岐阜県岐南町徳田3で2021年9月23日午前11時24分、荒川基従撮影

 普段は接することのない金属の溶接や溶断を来場者が自らの手で行いオブジェなどを作るユニークなテーマパーク「アイアンプラネット ベースオブ岐阜」が、岐阜県岐南町徳田のオーダー建築金物製作会社「メタル・アート」内にオープンした。同社マネジャーの藤沢直美さん(48)は「ものづくりの楽しさを体感してもらうと同時に、地元の方々に私たちの会社について知ってもらえたら」と望んでいる。

 アイアンプラネットは、職人の高齢化や若手人材不足に悩んでいた福井県坂井市の長田工業所が2015年、「現状を打破したい。溶接の楽しさを一般の方にも知ってもらいたい」と、工場の一部を改装してスタートさせた。ほかの工場にもノウハウを伝え、フランチャイズ方式でアイアンプラネットを全国に広げようとしている。

鉄の板を溶断する藤沢直美さん。来場者は溶断や溶接を自分で行える=岐阜県岐南町徳田3で2021年9月23日午前11時11分、荒川基従撮影 拡大
鉄の板を溶断する藤沢直美さん。来場者は溶断や溶接を自分で行える=岐阜県岐南町徳田3で2021年9月23日午前11時11分、荒川基従撮影

 メタル・アートを09年に創業した平田敏克社長(58)は20年8月、偶然目にした記事でアイアンプラネットを知った。同社の職人も当時、40~60代。10年後の会社について心配していた時だった。「同じ悩みを抱える中小零細企業として、思い切った取り組み内容と行動力に心を打たれ」、アイアンプラネットを岐阜にも作ろうと決意。藤沢さんを中心に約1年間、ノウハウなどを学び、長田工業所から数えて全国5番目、東海3県では初となるアイアンプラネットを21年9月1日にオープンさせた。

 来場者はカラフルなつなぎに着替え、工場の中2階スペースで、厚さ1・6ミリの鉄板を溶接機や溶断機で加工し、オブジェやサインプレート、ペンスタンドなどを製作する。革手袋や遮光ヘルメットも着用し、藤沢さんら従業員が作業をサポートして安全を確保する。中2階からは工場内を一望でき、見学しながら仕事について解説してもらえる。

 鉄が溶ける温度は1500度以上。素手では太刀打ちができない鉄の形を、火花を飛ばしながら変えていく作業は、普段の生活では味わえない驚きや興奮をもたらす体験だ。

 コロナ下のためほとんど宣伝しておらず、プレオープン期間も含めて訪れたのは親子3組。火花が散る作業に最初はおっかなびっくりな子どももいるが、作業を始めると「けっこう楽しい」などと目を輝かせたという。

 藤沢さんは「アイアンプラネットに取り組み始めてから、社内の雰囲気がとても明るくなった」と話す。「ものづくりである溶接や溶断は、とても楽しい仕事。中学校などの職場体験の場として活用してもらい、この仕事が将来の選択肢の一つに加わればうれしい」と話している。

来場者が鉄板を溶接、溶断して製作するペンスタンドやオブジェ、サインプレートなど=岐阜県岐南町徳田3で2021年9月23日午前11時19分、荒川基従撮影 拡大
来場者が鉄板を溶接、溶断して製作するペンスタンドやオブジェ、サインプレートなど=岐阜県岐南町徳田3で2021年9月23日午前11時19分、荒川基従撮影

 完全予約制。平日と祝日営業、土日休業。作業は小学3年生以上が対象で、所要時間は約1時間。キーホルダー・オブジェコース=2000円▽サインプレートコース=2750円▽ペンスタンドコース=2200円(いずれも税込み)――など。予約はホームページ(https://iron-planet-gifu.net/)から。【荒川基従】

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