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Monday, December 6, 2021

【独自】住民手作り“勝手橋”危険な実態…行政困惑 - テレビ朝日

 地域住民などが許可を得ずに設置した橋、通称“勝手橋”の存在が各地で確認されています。専門家は、老朽化による危険性を指摘しています。

■都の担当者「撤去して下さい」

 工事現場の足場のような幅の狭い鉄板が敷かれ、手すりもありません。

 かがんでくぐらなければならないほど低い天井。そのすぐ上を、轟音(ごうおん)を立てて通過する電車。これが“勝手橋”です。

 東京・八王子市の中心を流れる浅川には、勝手橋が掛かっていました。

 現場で取材している最中にも、次から次へと勝手橋を渡る人たちの姿が確認できました。

 この勝手橋について、河川を管理している東京都の担当者は、次のように話します。

 東京都南多摩西部建設事務所・蛭間浩之管理課長:「地元の住民の方たちがですね、手作りで作った“橋”と、簡単な構造ですので、結構危ないかなと思うんですね。河川法の許可を受けていませんので、撤去して下さいということで、お願いをしております」

■手作りの橋…自転車で通行も

 周辺住民が作った、幅の狭い鉄板とパイプだけの簡素な作りで、勝手に設置された、通称・勝手橋。

 東京都が渡るのは危険だと、撤去を促しているこの橋を利用している人に話を聞きました。

 利用者:「結構利用する。毎日」「(Q.使う理由は)バス停が近いから」

 中には、自転車に乗ったまま渡る男性の姿もありました。

 近所の住民:「男の人は、大体あのまま渡って来られるみたい…」

 この地域に40年以上住んでいて、“勝手橋”の設置にも参加したと話す男性は、次のように話します。

 “勝手橋”設置に参加・竹嶋勝美さん(78):「(東京)都とか(八王子)市に掛け合ってきたんですけど、大きな『陵北大橋』というものがあるものだから、それを使いなさいの一点張りで…」

 竹嶋さんの話す、東京都が利用を勧める橋は“勝手橋”から400メートルほど離れた所にあります。

 仮に、この橋を経由して郵便局を目指して歩くとなると、勝手橋と比べて、成人男性の足で15分程の差が出てきますが、高齢者など足腰の弱い住民となると、その差はさらに広がります。

 “勝手橋”設置に参加・竹嶋勝美さん(78):「お年寄りは歩けないでしょ、その距離は。(“勝手橋”は)非常に重要な、いわゆる生活橋ですよ」

■専門家「全国で1万橋超えと推察」

 勝手橋は、東京23区内にもあります。

 東京・大田区では、「頭上に注意」と注意書きがあります。さらに、上には電車も走っています。

 この勝手橋は、線路をくぐるために利用されています。しかし、老朽化が激しく、あちらこちらに穴があります。

 大田区は、この勝手橋は使用せず、迂回を促す看板を設置していますが、次々と利用する人の姿がありました。

 この勝手橋について、大田区に聞くと、次のコメントがありました。

 大田区からのコメント:「高架の下に、安全に通行できる空間がないことや、増水時にこの場所を通行することは危険だと考えております。現在は、老朽化が進み、利用することで事故が発生した場合を考えて、区で注意喚起をしました。安全な迂回(うかい)路をご利用頂けるように、お願い致しております」

 各地に存在するという勝手橋について、専門家は次のように話します。

 近畿大学・米田昌弘名誉教授:「多分、全国で調べると軽く1万橋は超えるんではないかと推察。例えば、杖をついて、今、勝手橋を渡っていたとしましょう。手すりもありません。鉄砲水みたいな水が流れてきました。痛ましい事故が起こった時にこれ、どういう形で責任取るんでしょう。不法構造物だから撤去しなさい。これ言うのは簡単ですけども、(自治体と住民が)お互いに相互理解する努力をしたうえで、考えていくべき課題だと思う」

(「グッド!モーニング」2021年12月6日放送分より)

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