「みんなスマホ持ってるから私にも買って」と、お子さんにスマホの購入をねだられて、悩んでいる親は多いでしょう。今の子ども達は、幼い頃から親がスマホを使っている姿を見ています。YouTubeや知育アプリとともに育ってきた子も珍しくありません。スマホから広がる楽しい世界を知っているからこそ、早く自分のスマホが欲しいと考えます。
でも、親としては時間を決めてスマホを貸しても「もっと使いたい」と約束を守らなかったり、いつの間にか年齢にふさわしくないコンテンツを見ていたり……。できるだけスマホを渡す時期を先延ばしにしたいと考える人も多そうです。
とはいえ、小学生になると子どもだけで行動する機会が増えてきます。高学年になれば、塾や習い事で遅い時間まで外出し、車で迎えに行くために親も連絡を取れると便利になります。中学生ではクラスや部活のLINEグループが作られるため、スマホが必要になるシーンが増えてきます。
子どもはスマホで楽しみたい、親は見守りのためにスマホを渡したい――そんな親子の思いがスマホ購入へと向かいます。では実際に、スマホを初めて持つ年齢は何歳が多いのでしょうか。
MMD研究所が2020年1月24日に発表した「今年初めてスマートフォンを持つ子どもの親に関する意識調査」によると、最も多かった回答は中学3年生で16.3%、次いで小学6年生で12.1%、中学1年生が11.3%となっています。この3学年が特に高いのは、中学入学、または高校入学を機にスマホを持たせるご家庭が多いからです。
小学生でのスマホデビューも増えています。小学生でスマホを初めて購入した子どもは40.1%と、中学生や高校生よりも多く、小学1年生で購入した子は7.2%にも上ります。スマホデビューは年々低年齢化しているのです。
スマホデビューで起きがちなトラブル
子どもにスマホを持たせる最適な年齢はいくつなのか、との相談を受けますが、これはとても難しい質問です。なぜなら、ご家庭の状況やデジタル機器への考え方によるからです。
自宅にいつも誰かがいて、位置情報さえ分かれば送迎もできるという場合、見守り用のGPSタグを持たせていれば事足りるかもしれません。位置情報だけでなく家族との通話機能も欲しい場合には、キッズケータイで十分でしょう。LINEの家族グループで連絡を取らせたい、早めにネットリテラシーを身に付けさせたいなどの動機があれば、スマホを持たせることになります。今、何が必要な機能なのかを改めて考えてみると、スマホを買うべきなのかを考える指標の1つとなります。
その結果、スマホを持たせると決めた場合、どんなトラブルが予想されるでしょうか。もちろん、何のトラブルも起きないかもしれませんが、問題をクリアにしておくことで、余計な不安を抱かずに済みます。スマホを渡す前に心構えが必要です。
「スマホの長時間利用」は誰しも頭を痛める問題です。子ども達はYouTubeやゲーム、SNSをメインとしてスマホを使います。内閣府の「令和2年度 青少年のインターネット利用環境実態調査(※PDF)」を見ると、17歳までの子どもは全年齢で動画視聴の割合が高く、小学生はゲーム、中学生はコミュニケーションと音楽視聴の時間が長いという特徴があります。スマホの長時間利用により、寝不足になり、勉強がおろそかになるかもしれません。
また、SNSで知らない人に出会うことで犯罪に巻き込まれる、友達とメッセージでトラブルになるといった、スマホでのコミュニケーションの問題もあります。
ゲームに高額課金してしまう、詐欺サイトにお金を請求される、SNSで知り合った人から情報商材を売りつけられるといった金銭トラブルも起きています。
安全なスマホデビューのために必要なこと
私は子どもにスマホデビューをさせるとき、「アナログとデジタルの両輪で子どもを守る」ことが重要だと考えています。「アナログ」とは、親の見守りです。具体的には、家庭に合ったスマホルールを作ることです。「デジタル」とはフィルタリングを中心とした、デバイスやサービスの設定を指します。どちらが欠けても、安全にスマホを使わせることは難しいと考えています。
スマホから広がる世界はとても楽しいものですが、ネットは子ども用に作られていません。少しずつできることを増やしてあげるのが、最良の道だと思っています。料理でいえば、包丁の使い方から始めて、徐々に火を使わせるような過程です。この連載では、安全に子どもがスマホを楽しめる方法を皆さんにお伝えしていきます。
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