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Sunday, February 28, 2021

『ゴジラvsコング』は明るく楽しい怪獣映画、監督が意気込み語る ─ 前作から作風転換、ただし軌道修正はナシ - THE RIVER

ハリウッドにてゴジラとキングコングが宿命の対決を果たす、映画ゴジラvsコングは、ハリウッド版『ゴジラ』シリーズと『キングコング:髑髏島の巨神』(2017)がクロスオーバーするモンスターバースの最新作。監督は『サプライズ』(2011)『ザ・ゲスト』(2014)などの低予算ホラーで頭角を現したアダム・ウィンガードだ。R指定でない映画を手がけるのは初めてとなるが、今回はひたすらに“楽しい”作風を徹底したという。

前作『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』(2019)のマイケル・ドハティ監督は、怪獣映画への愛情をこれでもかと作品に注ぎ込み、ホラーのバックボーンも活かした。それゆえ怪獣映画ファンには喝采をもって迎えられた側面もあったが、マニアックな作品になったためか、興行的に成功したとは言えなかったのも事実。しかし本作では、再び作風を大きく改めることになる。それゆえ、スタジオ側も意識的な軌道修正を図る必要はなかったようだ。

「(ドハティは)明らかにホラー寄りで、ゴジラへのアプローチにもあらゆる意味で恐ろしいところがありました。(スタジオは)それがどう受け止められるかにかかわらず、続編では違うことをしようと考えていたんでしょう。だから僕が選ばれたのだと思います。とても楽しく、またカラフルな作風にするというアプローチだったので、幸いにも大きな影響はありませんでした。どんな映画にするか、アクションシーンをどうするかということにも大きな軌道修正はなかったんです。すでに作業は始まっていたし、それが求められるものと一致していて良かったですね。」

『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』について、ウィンガードは「暗すぎるとか、CGが多すぎるとか、そう思われる側面があることは認識していた」と述べている。もっとも、それゆえに『ゴジラvsコング』を“楽しい”映画にしようと考えたのではなく、あくまでも作風は当初からのビジョンに従ったものだという。

ウィンガードは『ゴジラvsコング』を引き受けた理由について、モンスターバースの各作品が「監督たちが自分の色を出せている、監督による映画だと思えたから」だと話している。まさしくドハティらしい『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』がその証明であるように、ウィンガードも本作については「アダム・ウィンガード版の『ゴジラvsコング』でありつつ、同時に最もアダム・ウィンガードらしい映画にしたかった」と力を込めた。「フィルムメーカーとしての自分らしさを盛り込みつつ、怪獣映画として自分が面白いと思えることはすべてやりたかった」と。

「PG-13指定の映画を撮るのは初めてだし、暴力や罵倒語のない非R指定の映画も撮ったことがありません。だから特別な経験でしたが、特に難しくはありませんでした。もともと僕は、子どものための映画を作りたくて映画監督になろうと思っていたから。僕に言わせれば、R指定の映画もほとんどは子どものために作られているんです。『ターミネーター2』(1991)もホラーへの入り口のような作品で、子どもの感受性に訴えるように作られていますよね。暴力的でR指定だから、子どもにはほとんど見られないけれど。ただし僕にとっては、『ターミネーター』や『エイリアン』などのSF映画がホラーへの入り口だった。この映画は、自分が最初に映画監督になりたいと思った原点に回帰する作品なんです。」

監督が述べているように、従来のモンスターバース作品ではそれぞれ異なる監督が起用され、作り手の作風とこだわりが前面に押し出されてきた。『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』のマイケル・ドハティだけでなく、『GODZILLA ゴジラ』(2014)のギャレス・エドワーズはリアル志向を突き詰め、『キングコング:髑髏島の巨神』のジョーダン・ヴォート=ロバーツは映画・アニメ・コミックなどポップカルチャーへの情熱を作品の随所ににじませたのである。さて、ウィンガードによる“楽しい”アプローチはどのような形で実を結ぶのか。

映画『ゴジラvsコング』は2021年5月14日(金)に全国公開予定。

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Source: Collider

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