今回の記事はシリーズの6話目です。
まだこれまでの記事を読んでいない方はそちらからお読みください。
いよいよ鈴木敬司役の俳優さんがミャンマー入りをする。
そしてそれは私のクランクインも近づいてきているという事でもありました。
紆余曲折を経て私は鈴木大佐の副官である杉井という役になりました。
勿論この人も史実の人であり、重要な人物です。
そして、鈴木大佐役の方と同時にクランクインという事でした。
そのシーンにはアウンサンも出ます。
くしくも2大主人公と言えるシーンに私も出演するということになりました。
それに先立って日本からヤンゴンへ入った鈴木敬司役の俳優コウガシノブさんと顔合わせがありました。
最近では電車を止めるなにも出演されていて話題になった方です。
ミャンマー自体が初めてという事でした。
ラジオのパーソナリティーもやっていたり、何故か芸人に負けないネタを持っていたりとバライティに富んだ方で初対面の時からとても楽しい方でした。
顔合わせでは私以外の日本人役の人たちとも一緒だったんですが、すっかりみんなと打ち解ける辺りは流石だなという感じでした。
クランクインまで間もなくという事ですが、不安材料もありました。
このタイミングでまだ台本が私たちの手元になかったのです。
この映画の撮影にあたって元々あった台本を書き直しながら進めていくとの事でした。
この段階でまだ脚本が完成していないというのも中々の衝撃でしたが、これもミャンマー流という事でしょうか。
クランクインで撮るシーンはアウンサンとラミアンという2人が密かにミャンマーを離れて日本に潜伏し、そこで鈴木大佐と私が演ずる杉井と神田のとある料亭で密会をするというシーンでした。
撮影の様子
日本のシーンなのですが、ヤンゴンでの撮影です。
セリフは何と全て英語。
それなりな量はあるような感じはしていましたが、私もコウガさんも英語が得意という訳ではありません。
とはいえ焦ってもしかたありません。
撮影日は決まっているので後は台本が手元に来るのを待つばかり。
そして台本が届いたのは前日でした。
思った程セリフは無かったのですが、実際には更に現場で増えたり減ったりする可能性があるそうです。
もうここまで来たら出たとこ勝負だなという事で次の日は朝一番でスタジオ入りするという事でした。
撮影所と私が住んでいた家とコウガさんが泊まっていたホテルの位置関係もあって朝私がコウガさんを迎えにいって一緒にスタジオ入りする事になりました。
プロの役者さんがどんな風に準備をしたのかなど気になるところでそんな話が出来れば良いなと思いながらホテルに迎えに行きます。
コウガさんと合流してその辺り話しを聞くと
「聞いてたのより全然セリフが多い」
とかなり戸惑っているようでした。
確かに、同じシーンにいるのですが、鈴木大佐のセリフは私の3倍以上あるような感じでした。
しかも残りは現場でみたいになっている部分もあり、セリフを覚えるだけでも中々大変だなという感じ。
とにもかくにも2人で現場に迎いました。
ヤンゴン某所:筆者撮影
現場に着くと早いスタッフがもう現場入りして機材を搬入したりセットを立て込んだりしていました。
セット建て込みの様子
先ずは監督と軽く打ち合わせ、そして衣装合わせなど、一旦ここまでやった後は準備が出来上がるまで待ち時間になります。
撮影は待ち時間の方が長いのが当たり前ではありますが、何とも落ち着きません。
コウガさんはずっとセリフを練習していました。
それにしても現場には大勢の人たちがいます。
この日も何のかんので100人以上の人がいました。
否が応でも緊張してきます。
そして控室からスタジオへ呼ばれます。
どうやらリハーサルをした後そのまま本番にいくという事でした。
カメラテストなどの様子
それにしても撮影中は暑かった。
季節は11月なんですが、ミャンマーは雨期も明けて日中は30度も超えるかという気温になります。
メイクもしているので汗をゴシゴシタオルで拭くということも出来ず中々大変でした。
とにかく暑いのでカットがかかると扇風機を浴びにいってました
4人で出るシーンなのですが、角度を変えたりそれぞれの人の視点から撮ったりとOKテイクを何度も重ねての撮影は、わずか2分~3分程のシーンだったと思いますが、1日がかりでした。
向いの2人視点からの撮影
かなり大変でしたが、何とか無事クランクインを終える事が出来た時にはホッとしました。
改めて映画を作るっていうのは大変だなと感じた時間でした。
次回はスタジオではなくとある大学での撮影シーンでの話をお伝えします。
お楽しみに。
最後にこの時のリハーサルの様子を映像でお届します。
それではまた明日。
からの記事と詳細 ( 第6話「アウン・サン・ザ・ムービー」に出演した日本人たち - Newsweekjapan )
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