4日に東京・国立競技場で行われた東京パラリンピックの陸上女子(視覚障害T13)400メートル決勝に臨んだ佐々木真菜選手(24)=東邦銀行、福島市出身=は世界の壁の高さを痛感しながらも、全力でトラックを駆け抜けた。決勝に出場した8選手のうち、上位3人が大会記録を更新する激戦だった。小学生から陸上を始め、初出場で決勝まで勝ち進んだ。「良い雰囲気でレースに臨めて、とても楽しい大会だった」と輝く汗を拭った。
2日の予選と同じ一番内側のレーンに立った。外側の選手が前半に勝負を仕掛けると想定した。スタートから45メートルまで勢いよく加速し、最初の直線を駆けた。残り100メートルで上位に突き放され、7位に終わった。記録は58秒05で、自己ベストの57秒80には届かなかったが、「練習の成果は出せた」と晴れやかな表情だった。
生まれつき弱視の障害がある。幼い頃から体を動かすのが好きだった。福島市の庭塚小5年生の時、市の陸上大会で800メートルに出場し入賞した。担任だった菅野美佳子さん(故人)に「パラの選手になれるかもしれない」と背中を押された。
県立盲学校(現県立視覚支援学校)中学部1年で本格的に競技を始めた。2013(平成25)年、高等部1年でアジアユースパラ競技大会800メートルの日本代表に選出された。同年に東京パラの開催が決まったが、T13クラスに800メートルはなかった。400メートルに転向し、出場を目指した。
2019年の世界選手権で4位になり、福島県勢第1号として代表に内定した。しかし、今年3月のクラス分け審査で、障害が軽いためT13での出場資格がないと判定された。新型コロナの影響で再審査が受けられず、もどかしい日々が続いた。「目指す舞台に変わりはない」と気を強く持ち、練習に励んだ。7月にトルコで審査を受けて代表に正式決定したが、帰国後2週間は行動が制限され、満足に練習ができなかった。
「自分一人ではこの場所に立てなかった」と周囲の支えに感謝する。レース後はトラックに一礼し、今は亡き菅野さんや、家族、チームメートへの感謝を表した。次の目標は2022年の世界選手権だ。「まだまだこれから。世界を目指して頑張る」。躍進を誓い、笑顔で国立競技場を後にした。
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