文・写真=村井美樹 編集協力=西垣一葉(春燈社)
憧れの予讃線8000系アンパンマン列車!
大人も童心に帰るアンパンマン列車
いよいよ夏休みシーズンの到来です! ということで、今回は晴れわたる青空の季節にぴったりなJR四国の「予讃線8000系アンパンマン列車」と「瀬戸大橋アンパンマントロッコ」をご紹介します。ワクワクする楽しい車内と瀬戸大橋からの絶景を堪能でき、夏休みの思い出づくりにはもってこいですよ。
アンパンマン列車に乗ったのは、去年の夏のこと。当時、娘が1日に100回くらい「アンパンマン!」と口にするほど『それいけ!アンパンマン』にはまっていました。そこで、「夢中になっているこの時期にぜひ連れて行きたい」と、1泊2日の家族旅行を計画したのです。0歳~3歳くらいまでのお子さんって、本当にアンパンマンが大好きですよね。
小さな娘を連れての遠出。いろいろと不安はありましたが、羽田から岡山まで初めての飛行機を無事にクリア。とうとう岡山で憧れのアンパンマン列車にご対面となりました。
アンパンマン列車にはいくつか種類があるのですが、この日、私たちが乗ったのは「予讃線8000系アンパンマン列車」。虹をテーマにしたラッピングがすごくカラフルで、乗車する前からワクワクする列車です。
カラフルなアンパンマンシート。娘の席はテーブルが運転台風にデザインされていて、運転士ごっこができます
この列車でおすすめなのは、なんといっても限定16席の「アンパンマンシート」。座席はもちろん、カーテンや壁、天井にもアンパンマンとなかまたちがいっぱいなのです。さらに、ヘッドレストは雲の形で、ミニテーブルが運転台のデザインになっている席も! 1か月前から予約できるので、余裕をもって予約するのが安心です。
カーテンにもアンパンマンのなかまたちが
また、アンパンマン列車は岡山・高松~松山間を走行して愛媛県に到着するため、床には特産品のミカンの模様があしらわれています。その中には、なんとミカンぼうやがいるんです。そんなふうになかまたちがいろいろなところに隠れていて、お子さんと一緒に探すのもとても楽しいですよ。
停車駅がひらがなで書かれた床。この床のどこかにみかんぼうやが隠れています
ほかにも、1号車には空をイメージした「ウェルカムエンブレム」というデッキがあり、記念撮影をしたりスタンプを押すことができます。
デッキは空をイメージした明るい空間。スタンプも押せます
ピンクの夕空をイメージした可愛らしい洗面所は、カーテンにしょくぱんまん様ラブのドキンちゃんが描かれていたり、鏡がキラキラ光ったりして娘のお気に入りスポットでした。
ピンク色が基調のラブリーな洗面所
アンパンマン列車の中をあちこち探検して楽しんだあとは、車窓からの風景を満喫。瀬戸大橋に差し掛かると「海が見えるよー!」とテンションが上がりました。
娘にとって初めての瀬戸大橋
こんぴらさんの門前町・琴平
多度津駅でアンパンマン列車を降り、その日は琴平に宿泊しました。宿は「ことひら温泉 御宿 敷島館」。金刀比羅宮の表参道にはかつて国の登録有形文化財に指定されていた旧「敷島館」があったのですが、共立リゾートがその古材を用いて新たな温泉旅館として蘇らせました。古き良き老舗旅館の佇まいを堪能しながら、きれいで新しい建物を利用できます。
「ことひら温泉 御宿 敷島館」の前で
全館が畳敷なのも、清潔感があって良かったです。裸足で館内を歩き回れるので、娘も気持ち良さそうでしたね。靴や靴下を履かせたり脱がせたりするのはひと手間なので、子連れには嬉しいポイントです。
お夜食に「夜鳴きそば」を無料で食べられるサービスも。昔懐かしい味の醤油ラーメンで、とても美味しかったです。温泉がさらっとしていて心地良く、金刀比羅宮の参道にあってアクセスも良いので、琴平でおすすめの宿です。
また、琴平といえば「こんぴらさん」の愛称で親しまれている金刀比羅宮が有名ですが、今回の旅ではこんぴらさん参りは断念しました。娘を抱っこしながら785段もある石段をのぼる覚悟が持てませんでした。
金刀比羅宮の御本宮。子連れで785段の石段をのぼるのは相当ハード!娘が体力がついたら、またいつか挑戦したいです
しかし、上までのぼらなくても、門前で食べ歩きするだけで満喫できるのが琴平の良いところです。たとえば、「おいりソフト」。おいりは、結婚の引き出物として香川に伝わる縁起のいい米菓子です。パステルカラーのつぶつぶした見た目がとてもかわいいのですが、このおいりがソフトクリームにトッピングされています。おいしいうえにカラフルで映えるので、目にも口にも楽しめますよ。
見た目も可愛い「おいりソフト」
自然を五感で感じられるアンパンマントロッコ
一番楽しみにしていた「瀬戸大橋アンパンマントロッコ」
2日目のメインイベントは、岡山~琴平・高松間を走る「瀬戸大橋 アンパンマントロッコ」です。なんと言っても、トロッコで瀬戸大橋を渡る時が最高!
娘は、初日のアンパンマン列車で瀬戸大橋をわたったときも「海だ!」と喜んでいたのですが、トロッコだとさらに迫力が増して大興奮でした。
トロッコは、森をイメージした開放感があるデザインです。木の椅子ごとにアンパンマンのなかまたちがいるので、お子さんが好きな席を意識して選んでも良いですね。葉っぱをめくるとなかまたちが出てくるしかけがあったり、椅子の背もたれになかまたちの顔がそろばんの玉ように入っていたりと、子どもを飽きさせない工夫が盛りだくさんです。
森をイメージした車内。木のベンチにはアンパンマンのなかまたちが。車内は窓がなく、開放感バツグンですが、座席周りはちゃんとアクリル板が貼ってあるので、安心です
安全面の工夫もされていて、誤って子どもが顔や手を出さないように外側の下部はアクリル板になっています。これだと小さな子どもでも景色が見えますし、上のほうは全開なので風通しもバッチリです。外の風を直に感じさせてあげたいときは、親が子どもを少し持ち上げてあげれば良いので、私も瀬戸大橋のところでは頑張りました(笑)。今の鉄道は窓を開けられる車両が少ないので、貴重な体験になりますよね。
瀬戸大橋!真っ青な海と潮風が気持ちいい。トロッコだと橋を渡る音や振動もすごい迫力です
さらに、床にも透明な窓があって、瀬戸大橋を走るときも下がよく見えます。なかなかスリリングなので高いところが苦手の方には無理かもしれませんが、娘はこの床窓を気に入ってずっと下をのぞいていました。
床が一部透明になっていて、床下が見える仕掛けも。瀬戸大橋を渡る時に見ると海が見えてスリリング!
アンパンマントロッコのおもしろいところは、このトロッコの席と、客室の席の2席を予約できる点です。たとえば、私が乗車した13時16分琴平発では、琴平~児島までの間は、トロッコと客室のどちらの席も座ることができます。一方、児島~岡山間は客室の席のみ利用できます。客室のほうは柔らかいソファ席で、落ち着いて過ごせました。
客室は柔らかいソファ席。天気の悪い日や、児島〜岡山間はトロッコにはでられないので客室で過ごします 写真提供=JR四国
迫力満点のトロッコと、ホッとくつろげる客室、二つの座席を一度に楽しめて、ちょっとトクした気分。悪天候のときや、お子さんがトロッコの音に驚いて泣いてしまったときなども、客室に移動できると有難いですよね。
どちらも買いたくなる! 大人気のお弁当
旅のお楽しみといえばお弁当ですが、アンパンマントロッコの車内には売店があり、アンパンマングッズやお弁当を買うことができます。
売店ではアンパンマンのグッズやお弁当が買えます
お弁当は2種類。ひとつは、蓋にアンパンマンの水筒がついた「アンパンマン弁当」。もうひとつは、アンパンマンの顔の形をした「げんき100ばい!アンパンマン弁当」です。
アンパンマン弁当 写真提供=JR四国
げんき100ばい!アンパンマン弁当 写真提供=JR四国
アンパンマン弁当には水筒がつきます
どちらを買おうか悩みますが、私は両方欲しくて2つとも買ってしまいました。少しお値段は張りますが、旅の素敵な思い出になりますよね。娘は今でも、このお弁当箱と水筒を愛用しています。お弁当は数量限定でとても人気があるので、事前に予約するのがおすすめです。売店では、アンパンマントロッコとアンパンマン列車のおもちゃも、お土産に買いました。
多目的ルーム。カーテンを締めればおむつ替えもできます
さて、帰路の新幹線で娘は爆睡。新幹線に乗る前はどう静かにさせようかとハラハラしていましたが、岡山から東京までの半分くらいをぐっすり眠ってくれたので有難かったです。トロッコに興奮して疲れちゃったのでしょうか。旅から戻ったあとも「アンパンマン列車に乗ったね」とたびたび話していて、この夏の一番の思い出になったようです。アンパンマン大好きなお子さんはもちろん、アンパンマンを卒業した年齢のお子さんや鉄道好きのお子さんも、十分に楽しめると思います。
娘も大満足の旅でした!
そして、瀬戸大橋をわたるときのあの開放感は、大人にもぜひ味わってほしいですね。じつは、トロッコで瀬戸大橋をわたるときは、パパやママのほうが娘以上にはしゃいでしまいました(笑)。コロナ禍で自粛生活が続いたなか、自然を感じる開放感いっぱいのトロッコは、大人にとっても心が洗われてリフレッシュできる体験だったのです。アンパンマン列車はいくつか種類があるので、機会があればぜひまた乗ってみたいですね。
からの記事と詳細 ( アンパンマン列車&トロッコで琴平へ!村井美樹イチオシの大人も大満足な子連れ旅 鉄学の部屋(第9回) - JBpress )
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