これが未来のスタンダード?
次々と新しいモデルが発売されては消えていくため、いまやスマートフォンやスマートウォッチなどのガジェットは壊れてから買い替えるというよりも、数年おきに新品を購入するという人が圧倒的に多いのではないでしょうか。それはつまり、大量の電子機器の廃棄物が毎年のように世界にあふれることも意味しています。
たとえば大きなパソコンはリサイクル可能な製品として一般的でしょう。使い終わったらパーツごとに分解され、きちんと再生されていく部分も少なくないので、これなら許されるようにも思えます。いっぽう、小型のスマートウォッチのようなプロダクトは、そもそも分解してリサイクル向けにパーツを取り出すことさえ困難。最近では防水性能を高めるため、かえって地球環境には優しくない容易に処分できない構造のものが増えているんだとか。
しかしながら、このほど中国の天津大学の研究者チームは、使い終わったら水に溶かして分解されるパーツを多用した、究極のエコを追求するスマートウォッチのプロトタイプの開発に成功。その研究論文が「ACS Applied Materials & Interfaces」で発表されており、この写真のように水中に40時間ずっと浸し続けることで、一部のスクリーン素材やマイクロコントローラといった部品以外は、みごとすべて水に溶けて消えてしまうのです!
亜鉛をベースとしたナノ複合材料に、導電性を高めるための銀ナノワイアを加えた新素材などで複数の回路基板を製造。水溶性のポリビニルアルコールの合成樹脂素材でボディを仕上げてプロトタイプが完成しました。デザイン面ではもっと洗練が必要でものの、機能は充実しています。ペアリングしたスマートフォン本体から、普通に各種の通知を受け取れるほか、心拍数や歩数、血中酸素濃度まで測定できるそうです。
通常は日常生活防水の性能を備えるのに、いざ水中に長時間没すると、溶けて捨てられるようになっているというのですから、なんとも不思議な感覚ですよね。そのうち、こんな仕様こそが、エコな電子機器に必須の条件に定められる時代がやってくるやもしれませんよ。
Source: ACS Applied Materials & Interfaces
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科学&テクノロジー
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