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Tuesday, February 25, 2020

妹「2億5千万円」、自分「3千万円」…相続で家族の絆は壊れた | 富裕層向け資産防衛メディア - 幻冬舎ゴールドオンライン

妹「2億5千万円」、自分「3千万円」…相続で家族の絆は壊れた

いつの時代もなくならない相続トラブル。特に、相続財産に不動産が含まれる場合、分割方法をめぐって、醜い争いになることが少なくありません。そこで本記事では、『円満相続をかなえる本』(幻冬舎MC)より、具体的な事例と解決策を紹介します。

妹が「2億5000万円」相当の不動産を相続する…

依頼者のGさんは60代の女性で、数年前に父親を、数か月前には母親を亡くされ、その相続財産を妹のHさんと分割するにあたり、不動産鑑定評価をしてもらいたいとのことでした。

相続財産は大部分が不動産でした(母親が住んでいた自宅と賃貸アパート)。妹のHさんが依頼した税理士によると、その価値は時価でおよそ2億5000万円、そして金融資産(主に預金)が3000万円分ありました。

母親は遺言を残しておられたのですが、その内容は、不動産はすべて妹のHさんに、残りの金融資産はGさんに相続するというものでした。しかし、不動産の価値が2億5000万円で、金融資産は3000万円。Gさんとしては、納得がいきません。

「確かにHさんのほうが晩年の母親の世話をしていたが、遺言書の内容に格差が生じているのは、Hさんが母親に何か吹き込んでいたからに違いない」と思っており、Hさんに対する不信感でいっぱいでした。

そんなGさんのところに、妹のHさんが税務申告を依頼した税理士から、遺留分を侵害している分について金銭を支払うので、印鑑を持って事務所に来るようにと連絡がきました。

遺留分というのは、被相続人の兄弟姉妹以外の相続人に対して確保しなければならない、相続財産の割合をいい、遺言等によって遺産分割の割合が指定されている場合であっても、主張することができます。

本事例の場合、相続人は被相続人の子どもだけなので、遺留分は2分の1。2人で分けるので、Gさんは相続財産2億8000万円(不動産2億5000万円、金融資産3000万円)のうち、4分の1の7000万円まで自身の相続分として主張することができます。

したがって、Gさんが相続する金融資産3000万円を引いた差額の4000万円を、HさんからGさんに現金で支払うことで解決をしたいといいます。しかし、その説明があまりに一方的であったため、Gさんはさらに不信感を募(つの)らせました。そして、Hさんが支払うといっている金額の根拠となった「2億5000万円」という不動産の時価ですら、Hさんの都合の良いように税理士が査定したものかもしれないと考えるようになったのです。

妹の相続分に姉は納得いかなかった

妹の相続分に姉は納得いかなかった

「Hとはもう二度と会いたくない」相続が家族を壊す

そのような依頼の経緯でしたので、私はいつもより慎重に作業を行ないました。私の鑑定評価の結果次第では、GさんとHさん姉妹の人間関係が好転するかもしれなければ、悪化するかもしれないと思われたからです。そして鑑定評価を行なった結果、税理士が主張する不動産の価格は妥当なものだと判明しました。

Gさんは、鑑定評価の結果には納得したものの、やはり遺言書そのものの内容と、遺言書どおりとはいえ、一方的なHさんの主張に納得できず、「Hとはもう二度と会いたくない」とまでおっしゃっておられました。

もしかすると、遺言書が書かれた時点で、この案件の結末はすでに決まってしまっていたのかもしれません。しかし、誰かが、遺言書に母親がこのような遺言を残した思いを書くように助言を行なったり、Hさんの主張をGさんに伝える際にもっと心配(こころくば)りをしたりすることができれば、このような事態は避けることができたかもしれません。

私は、相続においては、各々の専門家が各方面からの検証を行なったうえで相談に対応しなければならず、その場合において、「円満相続」というキーワードは決して忘れてはいけないと痛感しました。

私には、まだ幼い子どもが2人います。互いにとても仲が良く、ニコニコしながら一緒に遊んでいる姿や、年上の長男が年下の長女の面倒を一生懸命みている姿を見ていると、とても心が温かくなり、ささやかな幸せを実感します。そんなふたりには、これからも仲良く助け合って生きてほしいと思っています。

もし、私が死んだ後、相続が原因でふたりの仲が悪くなり、口もきかないようになってしまい、他人以下の関係になってしまうことがあったとしたら、とても悲しいことです。

このような子どもへの思いは、すべての親に共通なのではないでしょうか。兄弟や親子等の血のつながりは先祖から脈々と受け継がれてきたものであり、切っても切り離すことができないものであると考えます。自分の死後に、相続がきっかけで兄弟や肉親が争うようなことは、絶対に避けるべきだと思います。

この案件に携わって以降、私は相続相談にあたっては、常に円満相続を心がけ、争いを回避するか、争いが生じたとしても、できるだけ大きくならないような対策を提案するようにしています。

不動産の「共有相続」という時限爆弾

相続発生時点において、すぐに問題が発生しない場合であっても、しばらく期間が経過してから、その相続を原因とする問題が発生してしまう場合があります。不動産を共有にして相続するケースです。

相続資産のうち、現金などの金融資産を分割するのは簡単です。例えば、1000万円の現金を2人で分けるのであれば、500万円ずつに分ければよいのですから、話は単純です。それに対し、不動産は簡単に分割できないことから、何人かの相続人で一つの不動産を一緒に所有する、いわゆる共有にしてしまう事例が多く認められます。

確かに、共有にしてしまえば、「不動産の価格がいくらであるのか?」という問題にかかわらず公平に配分することが可能ですし、当初の相続人同士は兄弟姉妹等の近い血縁関係にあることが多く、共有不動産の管理や処分についての意思の疎通も比較的簡単なため、すぐに問題が顕在化することはありません。

しかし、当初においては、それぞれの所有者が兄弟姉妹等の血縁が近い親族関係にあったのが、代替わりを経るにつれて、従兄弟姉妹や甥(おい)・姪(めい)と叔父・叔母といったように、少しずつ血縁が遠い親族関係へと変化していきます。また、甥の妻や姪の夫というように、利害関係者もどんどん増えていきます。

こうして、時の経過とともに利害関係者が増え、その関係が複雑化していくと、各関係者で互いの利害を調整することが困難になります。

一部の所有者が、共有持分を親族以外の第三者へ売却することにより、一部の持分を赤の他人が所有するに至るケースもあるでしょうし、いざ売却したいと思っても、一部の関係者が反対したりして、意思決定が困難になる場合もあるでしょう。また、その不動産が賃貸マンションなどの収益不動産で、日々、維持管理する必要があるなどといった場合は、その維持管理を巡っても争いが生じてしまう可能性があります。

したがって、遺産分割にあたっては、一つの不動産を共有とすることは原則として避けるべきですし、すでに共有となっている不動産については、なるべく早い段階で権利関係を単純にする必要があります。

森田 努/石川 宗徳/島根 猛/佐藤 良久/近藤 俊之/幾島 光子

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February 26, 2020 at 03:07AM
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