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Tuesday, July 6, 2021

キャンピングカーの生活を支える「ポータブル電源」の基礎知識 - 朝日新聞デジタル

キャンピングカーの快適な生活環境を支えているのは、冷蔵庫、ファン、FFヒーターなど、キャンピングカー専用の(あるいは車載専用の)電化製品です。さらに、最近ではエアコン、電子レンジなど家庭用電化製品の搭載も増え、電気への依存度は増しています。こうした装備への電力源として、最近注目を集めているのが「ポータブル電源」です。

そもそも、ポータブル電源とは

ポータブル電源とは言葉の通り、「持ち運べる電源」です。キャンピングカーだけでなく、テントで宿泊する時や災害時の電源として、単体でも使用が可能です。決して安価な商品ではありませんが、防災を念頭に置いてキャンピングカーを導入する人が増えており、こうした電源システムは非常時にも心強い備えとなります。

ポータブル電源は、「リチウムイオンバッテリー」「バッテリーマネージメントシステム」「DC/ACインバーター」などをひとまとめにしたシステムで、DC5V(USB)とDC12V、AC100Vの3種類の電気を供給できるようになっています。キャンピングカーで使われる電気をひとまとめに供給できるコンパクトなシステムです。

従来、キャンピングカーのサブバッテリー(車のバッテリーとは別の、生活用電源供給バッテリー)には鉛のディープサイクルバッテリーが採用されてきました。電源を必要とする装備が増えたことで、小型で軽く、大容量のリチウムイオンバッテリーが採用される傾向が強まりつつあります。ポータブル電源は、そのリチウムイオンバッテリーに蓄えられた電力から使う機材に合わせて適正な電力を作り出し(インバーター)、適切に供給するシステムを備えています。

すべてがワンパッケージなのでバッテリーやインバーターを別々に設置するよりスペースを取りません。また、それぞれ単体で機器を揃えるよりも安価ですむ場合があることもメリットです。

ポータブル電源だけを載せた車も

最近では、従来のサブバッテリーシステムを搭載せず、ポータブル電源だけを載せたキャンピングカーも登場しています。例えば、キャンピングカープロショップ・フレンドリー(以下CPSフレンドリー)の軽キャンピングカー「CAMEL」がそれに当たります。過去掲載記事『無駄をそぎ落とした、通好みの軽キャンピングカーがデビュー!』で紹介しました。

キャンピングカーの生活を支える「ポータブル電源」の基礎知識
別角度からみた「CAMEL」の室内。右側の棚の中に設置されているのがポータブル電源/写真提供=CPSフレンドリー

また、後からバッテリー容量を増やすためにサブバッテリーを増設することもあります。その際、単純にバッテリーの数を増やすのではなく、ポータブル電源をオプション設定しているキャンピングカーも出てきました。キャンパー鹿児島社製のバンコン「イン・プラス」はそんな一台です。オプションでリチウムバッテリーの「ポータブル電源」が用意されています。こちらの過去掲載記事『新リチウムバッテリーシステムでコストダウン!  新型バンコン「イン・プラス」』で車両について紹介しています。

様々な商品が続々と登場している昨今ですが、どの製品も基本的な機能にはさほど差はありません。

使い方は簡単です。電源スイッチを入れてシガーライターソケットやUSBポート、100Vコンセントに機器をつなげばすぐに使えますし、バッテリー残量もわかりやすく表示されるようにできています。また、車外に運び出して、車から離れた場所で照明などにも使えます。使い方も簡単でマルチに使えるというわけです。

新しい製品になるほど、大出力・大容量化が進む傾向があり、家庭用エアコンや電子レンジも動かすことができる商品も登場してきました。背景には、エアコンや電子レンジなどの家電製品の省電力化が進んでいる、ということもあります。

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