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Monday, November 22, 2021

アカデミー俳優たちが語るクリント・イーストウッド監督の演出術|オリコン|北國新聞 - 北國新聞

 半世紀以上にわたり一線で活躍を続ける名優にして、『許されざる者』『ミリオンダラー・ベイビー』で監督として2度のアカデミー賞に輝くクリント・イーストウッドが、監督と主演を兼任する新作映画『クライ・マッチョ』が来年(2022年)1月14日に公開される。同作はイーストウッドの監督デビュー50年・40作目のアニバーサリー作品でもある。

【動画】『クライ・マッチョ』シネマティック・レガシー特別映像

 イーストウッドは、『恐怖のメロディ』(1971年)で初メガホンをとって以来、50年間で40作品、驚異的なペースで作品を作り続けてきた。その秘けつのひとつに、直感的で自然体のスピーディな撮影術が挙げられる。

 『アメリカン・スナイパー』(2014年)、『運び屋』(18年)で2度イーストウッド組に参加しているブラッドリー・クーパーは、「僕は、クリントのテンポの速い撮影スタイル、効率のいい時間の使い方がものすごく好きだ」と、語っている。

 アカデミー賞作品賞・監督賞に輝いた『許されざる者』(1992年)、『ミリオンダラー・ベイビー』(2004年)、そして『インビクタス/負けざる者たち』(09年)に出演、イーストウッドの演出を熟知するモーガン・フリーマンも、「クリントの撮影はとても速い。1テイク撮ったら、すぐ次に進む。すごくいいよ。それに、彼がいつも平静でいることもありがたい。それは彼の精神力と自制心の表れだ」と賞賛する。

 『インビクタス/負けざる者たち』で初出演、続く『ヒア アフター』(10年)で主演を務めたマット・デイモンは、「彼は、ストーリーを語るにはどうすればいいかを正確に把握している。俳優として完全に身を任せられるので、とても安心して演じることができる。彼との仕事はほんとうにすばらしい体験だった」と、“俳優監督”だからこその信頼を寄せる。

 さらに、「スタッフのさまざまな仕事についてよく知っていて、誰もがよりやりやすくなるように気を配る。その結果、それぞれが最高の仕事ができる気分になれる。しかも、とても楽しい雰囲気でね」と、スタッフへの気配りも忘れない監督であることを讃えていた。

 最新作『クライ・マッチョ』でイーストウッドのイーストウッド演じるマイクと共に旅をする少年ラフォに大抜てきされた、14歳でいきなり巨匠と共演することになったメキシコ出身のエドゥアルド・ミネットも「ハッピーな現場だったよ。いつも笑いがあふれているんだ。クリントはしょっちゅう冗談を飛ばして、僕をリラックスさせてくれたよ」と、のびのびと演じられたと話している。

 「彼の演出方法は見事なまでに簡潔なんだ」と語るのは、『J・エドガー』(2011年)で主演を務めたレオナルド・ディカプリオ。「クリントの映画作りに非の打ちどころがないのは、彼が自分自身の直感と本能を信じているからだよ。彼のビジョンはひとつで、俳優としてはとてもやりやすかった。彼はまさにボクシングのセコンドみたいな感じ。リングに上がると、すぐそばで見守り、支えてくれている感じなんだ」と、独自の演出術で俳優を導く名監督だと証言している。

 監督デビューから50年、歴代のキャストたちが全幅の信頼を寄せるイーストウッド。新作『クライ・マッチョ』は、落ちぶれた元カウボーイと少年の旅を通して、喜びや悲しみを背負い、なお人生を歩み続ける、生きる上で必要な“強さ”とは何かを温かく、時にユーモラスに時に切なく語りかける物語。同作が公開されるまでの間に、アカデミー俳優たちとタッグを組んだ名作の数々を見返してみるのもおすすめだ。

『インビクタス/負けざる者たち』(C)2009 Warner Bros. Entertainment Inc. and Spyglass Entertainment Funding, LLC. Package Design & Supplementary Material Compilation (C)2010 Warner Bros. Entertainment Inc. Distributed by Warner Home Video. All rights reserved.

左がクリント・イーストウッド監督。映画『インビクタス/負けざる者たち』メイキング写真

左がクリント・イーストウッド監督。映画『インビクタス/負けざる者たち』メイキング写真

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